5.降谷さんの動揺。
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「体力も筋力もない。何もかもなってない。だから、最初はつらくなるだろう」
「私が悪い凶器にならないためなら、なんだってします」
切実な理由があるにしても、真剣に前に進もうとするその強い意志は好ましく思えた。
「だから、よろしくお願いします」
そう言って彼女が深々と頭を下げたから、オレも、ゼロも。
「「任せろ」」
しっかりと頷いた。
----------------------------------- case : Reincarnator
「それから」
降谷さんは眉間に皺を作りながら目を伏せる。
「捜査に関する情報は安易に無関係の人間の前で口にしちゃいけない」
「今回のロミトラのことですか?」
降谷さんがますます苦虫を噛み潰したような顔になってしまった。
「……ほんと……自分がそれに掛けられたかもしれないっていうのに、随分けろっと口に出すよな……」
「悪いのは私ですから」
何も知らないままの私だったらショックを受けていたのかもしれないけど、今の私はそうじゃない。
前世の記憶ってほんとチートだね。
「けど、ゼロさんは捜査のために秘密裏に動いていたんですよね。それを考えれば軽率でした。ごめんなさい」
「……分かれば、いい」
ふいっと降谷さんが視線を逸らす。
「あ……思わず言っちゃいましたけど、ゼロさんって呼んでしまっていいのでしょうか……?」
秋本さんのほうがよかった気がする。
けれど、諸伏さんが思わずといった様子でくすっと笑ってた。
「オレがそう呼んでたからつられたんだよね。ゼロ、どう呼ばれたい?」
「ゼロで構わない」
「ありがとうございます」
ありがとう? と降谷さんが首を傾げた。
「親しいかたの呼び方かなって……」
「ああ……気にしなくていい」
「オレもヒロでいいよ。むしろもしかしたら本名でガッツリ呼ばれるよりいいのかもしれないし」
「確かにな」
「わかりました。ありがとうございます」
まだまだ、お聞きしたいことがたくさん、です。
「それと……私の銃は所持を証明できないっぽいですが、一応銃を所持しても良い免許を取得したいと思うんです」
「なるほどな。悪くない」
降谷さんは頷いたのだけれど、
「やっぱりあれ……消えちゃうのか。見間違いじゃなかったんだな……?」
諸伏さんは戸惑っていた。無理もないですよね……。
「はい。……ヒロさんがご覧になったのは、スナイパーライフルっぽいのだけですか?」
あとからいらっしゃったみたいなので、と付け加える。
「他にもあるのか?」
「普通に出てきそうなのはマスケット銃みたいな物です。スナイパーの方
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