5.降谷さんの動揺。
[11/13]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
お前の『協力者』にしないか?」
「……む」
降谷さんの眉間に皺が寄った。
「多分、そうしたほうが守れることがあると思う。彼女の力は稀有だが……だからといって絶対安全というわけじゃない。今はまだ身体鍛えてないのもあるし」
「……一理、あるが……」
「……『エス』って、なんですか?」
公安について自体知らないと装った(決して二人の正体を察していなかったアピールのための補強だ)のもあるけど、協力者についてあまりよく分からないのは本当だ。まあ、本当に、作中に出て来るとはいえ表に出てこないことが多いっぽい公安自体、私は良く知らないのだけど。
『協力者』については映画で重要な要素として扱われていたこともあったけれど、どうしたらなれるのか、すぐになれるものなのか、なるにはどういう条件があるのか、具体的にどんな存在としてあればいいのか、などの詳細については、映画を見ただけでは私には分からなかった。
……自分の察しの悪さは自覚してるけど。
「一例としては、表立って動けない潜入捜査官のサポートをしてくれる人たちだよ」
諸伏さんがそう教えてくれる。
「そうなんですね」
映画でもあの人のために『協力者』の人が裏で懸命に動いていましたね。
「……しかし……それは……」
迷う様子を見せる降谷さんに、思い切って声をかけた。
「……危ないことから遠ざけようとして下さるお気持ちは、暖かくて、ありがたいです。だけど……私の覚悟を、軽いものにしないでください」
「……!」
降谷さんが目を丸くした。
「……生意気言って、ごめんなさい。今すぐなれるかは分からないけど、そのためのご指導、よろしくお願いいたします」
私はそう言ってお辞儀した。
降谷さんがたじろいでいるような気がした。
対して諸伏さんは穏やかな声で説明を続けてくれた。
「多分、『協力者』になるなら、情報を集めてそれを取得することが、無理筋じゃなくなると思うんだ。今回は多分、警視庁内でオレが彼らの出勤状況や、今何を担当しているのかを調べて、それを共有することになると思う。一般人への情報漏洩なら許されるべきことじゃないが……『協力者』なら、公安が守ってやれる」
「なるほど、それでなんですね……じゃあ、是非よろしくお願いします……!」
またペコリとお辞儀をする。
情報収集は難しいって言われると思ってたのに承諾されてしまいました……本当に頭が上がらない。
「けど、今日はもう遅くなってきたから、ひとまず明日だな。……ゼロ、汀さんを守るためでもあるんだからな?」
降谷さんはまだ、眉間に皺を寄せて目を伏せて、考え込んでいた。
「……明日は今回の件の報告もあるし、汀も公安に連れて行こうと思う。で
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ