4.降谷さんの困惑。
[1/8]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
----------------------------------- case : Reincarnator
私は仲間の人を眉尻を下げながら見上げた。
彼もだいぶ困惑した表情を浮かべている。
「……あ、あの」
「……はい」
やっと私は声が出るようになったみたいだ。
仲間の人の声は明らかに戸惑っている。
「わ、私、銃刀法違反、とかですよね、絶対、アレ……」
仲間の人は困惑の表情をますます歪める。
「……モノは、消えてしまったように見えましたが」
「わ、私も、何が何だか……」
無意識におろおろとしてしまう。む、無理もないでしょう……? 何あれ……?
「ちょっと持ち物検査的なことをさせていただいてもいいでしょうか?」
「自分でもそんなに丁寧に扱っていただけるのが申し訳ないくらいです、好きなだけやっちゃってください……」
私は鞄を差し出し、両手を上げた。テレビで銃を突き付けられたりしてた人がよくやってたポーズです。
しばらく彼は丁寧に調べていたけど、アレも、他に怪しいモノも出てこなかった。
「い、一体……と、ともかく、モノがないと逮捕とかはできないように思います」
「そ、そうですか……自首とかしたほうがいいのかな……」
「……信じられる人は少ないかと……」
「……どうしましょう……」
「と、とりあえず、ふ……あのかたが帰ってくるのを待ちましょう」
「は、はい……」
しばらくして、鬼の形相をした安室さんが戻ってきた。ヒイィィイ……怖いいいいいい……。
「……失敗した」
「……あ」
彼の腕にはさっきの『兄貴』が抱えられていたけど、彼は既に息絶えているように見えた。
「もう一人いた。そいつにやられた」
「そうですか……」
「あ、兄貴……ッ!?」
手錠を手にも足にもかけられて転がされていた私の取り引き相手が悲壮な声を上げた。
「自分を置いて逃げたヤツを惜しむのか」
「……うるせぇよ」
彼は苦々し気に吐き捨てて顔を逸らした。
「あなたは、車ですか?」
安室さんが仲間の人に聞いている。雰囲気がまだ怖いので仲間の人も少し怯えていた。
「いえ、追っていたので電車とタクシーです」
「なるほど。じゃあ、彼女とこいつと……この遺体は僕が連れて帰ります」
「よ、よろしくお願いします……!」
そして安室さんはギロリと私を睨んだ。
「……ついてこい」
「は、はい……」
安室さんは男性二人を難なく担いでずかずかと歩いていく。
は、速い。私は頑張って走った。着いた時にはすごく息が上がっていた。モヤシです、すみません。
前世でよく見たRX-
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ