4.降谷さんの困惑。
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仲間の人に知られているのが、混乱させてしまったのが、すごく怖い。
何故か、安室さんがいたたまれなさそうな顔をした。
そしてぽすんと頭に手を置かれる。
「……え……?」
「お前にも何が何だか分かっていないんなら責められない。怖がらせて悪かった」
そういえば安室さんは、コナンくんが常識外れでもすんなり受け止めて、認めていた。
本当懐がとても広い人だなあ……。
不遜にも安心のようなものをしてしまって、私はぼろぼろと溢れてきた涙を止められなかった。
「ごめんなさい、ごめんなさい、わけのわからないことをして、わけのわからない人間で、ごめんなさい……!」
安室さんが眉根を寄せていた。
頭の上の手のひらが、するりするりとゆっくり撫で始める。
「……ただ、お前は僕が監視する。大学に出勤するのはここからにすること。持ち込みたい荷物があるようなら車で送迎する」
「……ごめんなさい……出勤、許してくださって……ありがとうございます……!」
「……謝らなくていい」
私は息を詰まらせた。眉根を寄せて俯く。
安室さんはしばらく私の頭を撫で続けていた。
そんなことしてもらえる人間じゃないと思うのに。
その優しさに、また私の目から涙が落ちていった。
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必要なものがあれば何でも持ち込むようにと言われてFDで私の家まで送ってくれた。
無言になってぼんやりしているうちに着いてしまった。もちろんナビなんか、していない。
そりゃやっぱり家なんか知られてるよね……。
何にも知らない私だったらどういう反応をしただろうと思って、驚いた感じで安室さんと私の部屋のあるアパートをきょろきょろと交互に見遣る。状況に少し驚いたのは本当。
けれど安室さんはじっと私を見るだけだった。そしてぽつりと言う。
「……行くぞ」
「……はい」
私は眉尻を下げて俯く。
やっぱり、安室さんの中には『秋本さん』が見当たらない。
何にも言わずに安室さんも部屋に入って来るけど、きっと荷物を持ってくれる気なんだと思うし、何だろうと私に拒否する権利はないなとも思う。
……私が普段から片づけも掃除もキッチリする性格で良かったです。
「書籍で持って行きたいものは?」
「全部覚えてるのでひとまずは要らないです」
安室さんが少し驚いている気がした。結構「バカ?」って言われてるし私自身「バカ……?」って思ってるので無理もないと思った。
「パソコンは?」
「……ああ……でもタワー型なので、それもひとまずは要らないです」
そう言うと安室さんは少し考え込んだ。
「……セキュ
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