2.降谷さんの刻苦。
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の、部屋に」
「やっぱりきみはどっか抜けてるな」
彼女は困った顔で眉尻を下げた。
「…………えぇっと、私がお酒飲むのやめる努力をすれば、夜出歩かなくなります」
「他にストレス発散方法が思いつくなら構わないけど、別で何かやるにしろやらないにしろ、俺はきみを探し回るよ」
「さ、探し回っ……」
「連絡くれるよね?」
「……うぅ」
やはり彼女は、懐に入ってきた人間には、甘いのだろう。
「もっとたくさん、話をしよう」
そう言ってゆるりと頭を撫でると、やがて腕の中の彼女はほんの少しだけ僕に身を寄せた。
少し心が和むのと同時、ここまでにさせておいて、こちらの想いが偽りなんて救われないと感じる。
このあと僕は、どう償えばいい?
「……あ、そうだ、彼にきちんと、もう取り引きはやめますって伝えればいいんですよね」
「……は?」
「そうしたら、きっとあなたが私なんかのために労力を割かずにすみます」
「そんなんであっさり終わる世界じゃない。きみはやっぱりバカだな?」
「ば……っ」
言葉を詰まらせて落ち込む彼女に、僕は溜め息をついた。
「とにかく、絶対にそいつに会うな。声をかけられても反応をするな。小学生でも守れるよ? それができないならさすがにここに軟禁する」
「え、えええ! しょ、小学生でも……はい……」
僕はじとりと彼女を見つめた。ニヤリと努めて悪そうかつ怪しそうな笑みを浮かべる。
「また、酷いことされたい?」
「い、嫌です、分かりました、もうあの人に関わりません……!」
こうして揶揄うのが少し楽しくなってしまっているが、いい加減にしなければいけないだろう。
----------------------------------- case : Reincarnator
死ぬかと思いました。色んな意味で。
取り引きをじりじり引き延ばしていたのは本当だけど、自分がバカやってることにちゃんと気づいてたっていうのは真っ赤な嘘です。それくらいの黒歴史修正はお許しください。
そして私が腹を括るのには、二日がかかった。
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彼はベッドの縁に座ってワインを飲み始めた。
彼女はそれをぼんやりと眺める。
「今日は一回で許してあげる。平日だしね」
(一回。あの……満足? な感じ……安室さんもだと……いいなぁ……)
自分ばかりは嫌だ。
そんなことを思いながらも、彼女はまたぼんやりと彼の背に目をやる。
「……すごい、筋肉……。結構、細い、のに……」
彼は小さく吹き出したようだった。
「鍛えてるからね
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