2.降谷さんの刻苦。
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私はたくさん人がいる所にしかいないから、無理なんじゃないでしょうか。トイレとかで一人になったとして、連れてくところを見られちゃうと思います」
「箱とかに入れられるとか、きみが素直についていくとかしてたら恐らく気づかれない」
「なるほど……」
私は思案する。
きっとこうは言ってももしかしたら大学にも捜査員さんが入り込んでいるのかもしれない。
けれど既に情報を吐いた捜査対象にはできるだけ人員を割きたくないはずだ。負担を減らせたらいいのにとどの口がと言われそうなことを思う。
安室さんがまだ私に関わってくれているのは、保護の目的もあるのだろうけど、まだ引き出せる情報があるかもしれないというのもあるだろうし、既に事後処理に入っているのではないかと思っている。
(不自然じゃない程度に不和を作って、離れなきゃいけないんだろうな)
『自らした違法作業は、自らカタをつける』
少し胸がちくりとした気がした。
工藤優作さんと藤峰有希子さんは『今』に生きていて既に結婚しているのは普通に知っていた。有名人だもの。
けれど彼らに息子がいるかどうかは不明だった。世界をまたにかける人たちだから報道が追えていないのか、まだいないのか。少なくとも高校生探偵として有名になってはいないようだった。
そういう時期ならきっとこの目の前にいる人は親類とかではなく、本当にあの『安室さん』なのだろう。
見せてもらった免許証のは偽名だったから、現在本当に二十三歳なのかどうかも分からない。だから今が原作のいつなのか私には分からない。
それでも彼が『安室さん』なのはほぼ確実だから、あの数々の言葉は真に彼の信念のはず。
「気をつけます、できるだけ人目のない所に行かないようにします。もちろん、怪しい人について行きません」
「ああ。ほんと小学生に言い聞かせてる気分だよ」
「……酷いですね」
けれど自分でもそうかもしれないなあと思ってしまう。
ふっと安室さんが笑う。
「そろそろ朝食をとってシャワーしないと、遅刻だな」
「はい」
私も眉を下げて笑う。くすぐったい非日常。本当に何でこんなことになっているんだろう。
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それから数日、まともな方向へ行くようにどうにか研究に修正をかけ始めつつ、あの、安室さんでもバーボンでも降谷さんでもなさそうな安室さんと相変わらずの妙な夜を過ごしたりなんたり。
心臓には悪いけど、一緒に話してて楽しいなっていうのは、私も思ってしまっていた。
今のあの人が色々と作り物だっていうのが分かっていても、それでも。
……学内で完結しているサーバーがあります。
学生や教員や研
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