1.降谷さんの初陣。
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よ」
僕はふっと笑う。
「公私混同はしない主義なんです」
先輩は、少しの嘆息を混ぜながら苦笑した。
「公僕の鑑か。まったく、恐ろしい後輩だよ」
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『勧めたのは俺だ』か。
新人の後押しとしては間違っていないんだろう。一歩踏み出す切っ掛けがつかめないことなんて誰にでもある。ましてや今回、時間が無さ過ぎた。
変装していて、恐らく名も偽りのものだ。けれどそんな『先輩』を恨みの対象にできる隙を作ってもらってしまった。
(僕もまだまだだな)
新人が何を、だが、配属されたらもう僕たちはプロなんだ。
そんな遣る瀬無さをひとまず置いておき、僕は渡されたモノを眺める。
成分表からすれば、きっと一時的にぼうっとして、動けなくなる。言い合いの負担をすっとばしてしまえるモノ。後遺症や依存性は確認されていないとある。一応の確認で少し舐めた程度の僕にはなんともなかった。
まったく恐ろしい。こちらはある程度の服用量が要るとはいえ、彼女をとやかく言えないだろう。
しかし、世に出そうとする危険を考えられなかった、あるいは考えないようにしたかもしれない分、彼女には責があるのかもしれない。
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