1.降谷さんの初陣。
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自分で探るのはとめない」
協力者。風の噂では色々聞く。僕もいつか探すべきなのだろうか。あまり自分でできないことは浮かばないが、顔割れを防ぐため等と言われれば居るに越したことはないのかもしれない。
「よし。あとは彼女が夜街に出たって連絡があるまで書類仕事でも手伝っててくれ」
「書類仕事」
「たとえ実働部隊だろうと警察の本分はソレだ。永遠に人が足りない」
「新人の僕が関わってもよろしいのですか?」
「守秘義務に抵触しない書類は山のようにある」
「山のように」
その人手不足はいつか解消される時が来るのだろうか。
よくよく見れば、先輩の目の下にはメイクで隠されている隈があった。
……少しでも負担を減らそう。
そう思ってデスクにかじりついていたら、その日の晩にはもう連絡が来た。平日だぞ。
どうやら彼女は、毎日とはいかないまでもずいぶんな頻度で飲み歩いているようだ。アルコール依存症になっていないといいが。
僕は小さくため息をついた。
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彼女は本当にきちんと素直に僕に連絡をくれるようになった。ほぼ毎日。こんな制限をかけられたら普通は頻度が下がるものじゃないのか?
そんな彼女に思うところは多々あったが、そこはもう置いておくことにする。
「……あなたと飲むと本当にちょうどいいくらいで終われます。ありがとうございます」
「……」
そんな妙な信頼をもらったらしい。
彼女が好きなのはお洒落そうなカクテル系だった。酎ハイや焼酎、日本酒、ワインなども飲むらしいが、ビールは苦手だという。
同期たちと飲むときはビール中心だったから、彼女の付き合いで飲む時間は少し新鮮だった。
酒を飲むのは好きだがあまり知識はないという彼女に、既に知っていたことを含め話のネタとして色々更に調べたことを語ると、原料や成分の話には興味を持つらしかった。情報がほしいとかどうこうではなく、単純にそうした方面に知識欲が向くらしい。この性質タチが今の研究へと結び付いたのかもしれない。防犯用ならシステムやグッズ開発にいきそうなものをと思ったが、このあたりのことがあるんだろう。できる範囲で、何かやろうとした。身を守るために身体を鍛えるという発想にいかなかったのも、興味がなかったからだろう。
困ったのは自身の研究についてまったく触れようとしてくれないことだった。そこは流されないのはさすがと言うべきなのか。多少の警戒はまだみえるとはいえ、自惚れではなく客観的に随分親密な雰囲気には持ってこれている。彼女の監視役をしてくれている仲間が生ぬるく微笑んでいたくらいだ。
それでも、彼女の口から薬学科の研究員だというこ
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