暁 〜小説投稿サイト〜
ロミトラ対象、降谷さんの協力者になる。
1.降谷さんの初陣。
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捜査員に目撃されている。
 
「……過剰防衛?」
「ずいぶんな美人さんだろ? 小さい頃から結構な目に遭っていたらしくてなあ。その経験からか本人は防犯用と主張して色々と開発しているようだ。ようなんだが……吹き付けるだけで気絶させる等々、まあまあ過激なんだよ」
「……それは」
 
 一歩間違えれば化学兵器だ。
 
「ああ。もちろん犯罪者の手に渡ればおおごとだ」
「そのおおごとになりかけているか、既になっている、と」
「そういうことだ。……彼女に取り引きを持ち掛けていた人物が問題でな……」
「? ……取引現場を捜査員に目撃されてその場で確保されていないということは、泳がせる必要があったんですか?」
「ああ、捜査員はもともと彼女の取り引き相手のほうを探っていたんだが、それがな……今後きみに潜入してもらう予定の犯罪組織の、構成員の疑いがある男でね」
「……!」
「トカゲの尻尾切りにならないよう慎重に追っている。まあどうも、ただ話しているだけにしか見えない現場で、確たる証拠を得られそうになかったというのもあるようだ。まだ取引は交渉段階にみえたらしい」
「なるほど……」
 
 僕は複雑な気分で彼女の資料に再び目を落とす。
 先輩が小さく苦笑した。見ると眉が下がっている。先輩もどこか思うところがありそうだ。
 
「今のところ彼女個人を危険人物扱いはしていない。武道の類なんて今まで一切触れていた様子がないのはもちろん、防犯グッズに対する思いが過激ではあるようではあっても、攻撃的な性格ではないようだ」
 
「そうなんですか」
「ただ、調べてみないとまだ何も分からない。最悪、全部知っていて組織に協力しているのかもしれない。だから正面から説得に行くのは危険だ。あの組織の協力者なら拳銃か何か隠し持っていても不思議じゃないし、周りに護衛か何かも潜んでいるかもしれない」
「そう、ですね……」
 
 彼女は身を守りたくて、あるいは痴漢や誘拐などの被害から他の人々も守りたくて、これまで必死に研究してきたのだろう。それを悪用される、もしくは、自身で悪用する、なんて。
 
「降谷、一般人の態で彼女に近づけ。何としてでも取引成立前に情報を集めるんだ。そして状況に応じて、彼女を保護するか、確保するか……利用しろ」
「……!」
 
 一瞬目を見張ってしまった。……だがきっと、公安とはそういうもの、なのだから。
 
「承知しました」
「……きみはやはり察しがいいようだな」
 
 最悪、彼女を組織潜入の足掛かりにしろ。
 先輩はそう言ったのだ。
 
「この件に関しては俺が教育係としてサポートする。以後は別の人間が一人つくだろう」
「はい!」
 
 真剣な顔でそう言う先輩に僕はしっかりと頷く。
 
「俺はきみみたいな優秀
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