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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第219話:アドリブ、試される時
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俺が何とかしとく。”もしも”って時の備えは一応用意できてんだろ?」
「えぇ。まだ試してはいませんが」
「じゃあそっちは頼む。こっちは俺と父さんで何とかしとくから」
〈シャバドゥビタッチ、ヘンシーン! シャバドゥビタッチ、ヘンシーン!〉
こうして話している間にも、ミラアルクはこちらの隙を伺って何時でも飛び掛かれるように構えていた。もう何時攻撃を仕掛けてきてもおかしくない。颯人はアリスとキャロルをこの場から遠ざけつつ、自分はミラアルクの相手をすべくウィザードに変身した。
「変身ッ!」
〈フレイム、プリーズ。ヒー、ヒー、ヒーヒーヒー!〉
炎の魔法陣に包まれてウィザードに変身した颯人。ミラアルクはそれを合図にしたかのように颯人に鋭い爪で飛び掛かり、アリスは組み付き合う2人に背を向けてキャロルの手を引きその場を離れた。
「すみません、颯人! 頼みます!」
「はいよッ!」
アリスとキャロルが離れていくのを気配で感じ、2人が十分に離れた所で颯人は一旦ミラアルクから距離を取った。彼が離れると、ミラアルクは虚ろな目を彼に向けながら背中の翼を変形させて両腕に纏い、巨腕を形成して構えを取った。
颯人もそれを迎え撃つべく、ウィザーソードガンをソードモードで構えつつ愚痴を零した。
「ったくよぉ、こちとら色々とやらなきゃならない事が多くて忙しいってのに、イレギュラーばっか起こりやがる。ま、アドリブ全開で行くしかねえって事か」
颯人のボヤキを聞く者は、操られているミラアルク以外誰も居なかった。そのミラアルク自身も、彼の言葉の意味を理解することなく機械的に動き、剣を構える颯人に飛び掛かるのであった。
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