暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第219話:アドリブ、試される時
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受け止める。
「ちょ、母さんッ!? うぉっ!?」
「う゛ッ!? く、は、颯人……!」
「い、つつ……次から次へと。何? 何が起きたの?」
アリスを受け止めた衝撃で詰まりそうになった息を整えつつ状況を訊ねる颯人。だが彼女が事情を話す前に、その原因とも言える存在が目の前にふらりと姿を現した。
「あ?」
それはミラアルクであった。颯人が秘密裏にアリスの元へと連れて行った筈の彼女が、明らかに彼女を攻撃したらしき状況に颯人は一瞬ミラアルクがアリスに激昂して暴れたのかと思った。
「母さん、あの子の説得失敗した?」
「そうではありません。あの子、何かに操られています」
「何だって?」
アリスが己の首筋を叩きながら告げた内容に、颯人がミラアルクの同じ部分を見ればそこには何やら虫のような物が張り付いているのが見えた。そして肝心のミラアルクはと言うと、何処か生気の感じられない目で颯人達の事を見ている。
ミラアルクからの視線に颯人が警戒してアリスを後ろに下がらせつつ身構えると、キャロルが狼狽した様子で今度こそ何があったのかを話した。
「ハンスが、ハンスが消えたんだッ!? アイツが持ってた、何か……えっと、兎に角小さな瓶みたいなのをハンスの傍で割ったら、いきなり……!?」
キャロルの話す内容に颯人は思わず舌打ちをした。そりゃ確かに何か騒動の一つも起きてくれとは願ったが、こんな形の騒動は願い下げだ。しかも状況が予想を遥かに上回り厄介な事になっている。まさかハンスが狙われるとは思ってもみなかった。
「母さん、ハンスが何処に連れて行かれたかは分かるか?」
「生憎とそこまでは。ただ、彼女の様子から背後にジェネシスが居るのはほぼ確実です」
「何だって連中がハンスを連れていく?」
「違います。操られたミラアルクさんの目当ては彼ではなくキャロルさんです」
「はぁ?」
では何故キャロルがここに居て、ハンスが居なくなると言う事態になるのか? 訳が分からないと颯人が思わず素っ頓狂な声を上げると、キャロルが震える声で答えた。
「アイツが小瓶を振り下ろそうとした時、ハンスが……ハンスが俺を突き飛ばして……」
「ッ! アイツ、起きたのか?」
「いえ、起きたと言うよりは体が反射的に動いたような感じでした。実際キャロルさんをテレポートジェムの範囲から押し出した後は、再び動かなくなりましたから」
どうやら状況は彼の想定を超えると言う言葉では言い表せない位に面倒な事になっているらしい。颯人自身も色々と動かなければならないと言うのにこの状況。もし髪と言う存在が本当に要るのであれば、一発ぶん殴っても許されるのではないかと思ってしまった。
「取り合えず母さんはキャロルと一緒にハンス探しに行ってくれ。ここは
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