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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第219話:アドリブ、試される時
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 装者達と颯人を除く魔法使い達には実質暇が出された訳だが、本部そのものは静かとは言い難かった。当然だ、今本部は査察官に率いられた日本政府の職員による調査などが行われているのだから。

 颯人は万が一にも逃げ出すと言う事が無いようにと本部内の部屋に軟禁されており、監視の役目を言い渡された自衛隊の隊員が目を光らせている。今のところ颯人は大人しくしているらしく、見張りの隊員からも特に異常はないと言う報告が上がっていた。

 そして発令所では、本来その席に座っているべき朔也やあおいが追い払われ代わりに赤い制服を着た日本政府の職員が座り、コンソールを弄って何やらデータの吸い出しなどを行っているらしかった。弦十郎は険しい顔で、査察官は満足そうにその様子を眺めていた。

 了子らもこの場からは追い出され、各々自分の仕事場である部屋に押し込められている状態であるが、そんな中で異彩を放っているのが颯人の父親である輝彦であった。彼はここが占拠された時と変わらず壁に寄りかかり、特に何を見るでもなく時々辺りを見渡している。
 彼も魔法使いと言う事で、その周りには警戒する様に銃を携えた隊員が2〜3人取り囲んでいた。監視の目が光っているにも拘らず、まるで気にした様子もなく平静を保っていられているのは流石颯人の父親と言う他ない。

 と、その時、徐に輝彦が懐から懐中時計を取り出し時間を見た。

「ふむ……」

 時間を確認した彼は何を思ったのか、時計をしまうと右手に指輪を嵌め始める。それが魔法を使う合図だと言う事を知っていた弦十郎は突如動き始めた彼の方を見て、それにつられて輝彦を見た査察官は明らかに怪しい動きをし始めた彼を止めようと声を上げた。

「お、おい貴様何をしているッ! 止めろッ!」
「動くなッ!」

 査察官の声に僅かに遅れる形で隊員達が輝彦に銃口を向けるが、彼は気にする素振りも無く右手をハンドオーサーの前に翳した。

〈コネクト、ナーウ〉

 詳しい事は分からずとも、それが魔法を使った合図だと気付いた隊員達の引き金に掛けられた指に力が籠る。時分に向けられた銃口から間もなく火が噴こうとしている中、輝彦は無人の野を行くが如く平然とした様子で魔法を発動した右手を直ぐ傍に向けた。

 その光景に査察官が輝彦の反抗を予測し、内心で格好の攻撃材料が出来たと喜んだ次の瞬間、彼が手を向けた先にイスとテーブルが出現し思わず目が点になった。

「……は?」

 査察官だけでなく、銃を構えていた隊員達が困惑する中、輝彦は椅子に腰掛けると軽く鼻歌を歌いながらテーブルの上に置かれたティーセットで紅茶を淹れ始めた。

「ふむ、今日は……やはりアールグレイでいくか」
〈バーナー、ナーウ〉
「な、何をしている……?」
「ん?」

 魔法で
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