第12話 熱狂的な生き物2匹
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に勇気を出して手を差し出してくれたのだろう。
「ありがとう。話してみて思ったんだけどさ。仁菜は素直で良い子だし、本当に可愛いな」
「かっ?!かかかっ、かわっ?!」
瑞貴は仁菜に対する素直な気持ちを話す。仁菜は狼狽して言葉が上手く出て来ないようだ。
「う〜。誰かれ構わずそんなこと言っちゃダメです!桃香さんに怒られちゃいますよ!」
「誰にでも言ってるわけじゃねぇよ…」
「あ、瑞貴さん赤くなってる。照れてるんですか?」
「うっ、うるせぇな…」
「ふふふっ」
瑞貴は頬杖をついて、そっぽを向く。口調や仕草、表情の雰囲気がどことなく桃香と似ている、と仁菜は思った。桃香が男っぽいのかもしれないが。
「あの、瑞貴さん…この前はすみませんでした。私、態度悪かったですよね?」
「別に気にしてないよ。ま、河原木のファンに悪いやつはいないって」
「ですよね!その…瑞貴さん、お願いがあるんですけど」
「何?」
「たまに、こうやって話しませんか?桃香さんのファン同士」
「いいよ。俺も語れるやつがなかなかいなくて困ってたとこ。仁菜みたいな子なら大歓迎」
「やった!」
仁菜は喜びでガッツポーズをした。そして、どちらからともなく顔を合わせて笑い合う。元ダイヤモンドダストのボーカルこと河原木桃香のファンとして。バンドのボーカルとして。瑞貴と仁菜は互いを同志のように感じるのだった。
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