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星河の覇皇
第八十七部第二章 膠着状態に入りその四十四

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「戦うのならだ」
「ご自身もですか」
「戦場に出る、そしてだ」
「ご自身も戦われるのですね」
「そうする、よく私を謀略家だと言う者がいるが」
 これは連合において特に顕著である、シャイターンは謀略を駆使して己の野望を成し遂げていく野心家というのだ。梟雄とも呼ばれている。
「しかしだ」
「それはですね」
「違いますね」
「閣下の本質ではないですね」
「私は政治家でもあるが」
 これも事実だがというのだ。
「まず軍人だ」
「戦場に立つ」
「そうした方ですね」
「それが閣下ですね」
「元は傭兵達を率いていた」
 傭兵隊長から身を起こしたことも話した。
「それならだ」
「尚更ですね」
「閣下は軍人であられる」
「そして軍人ならですね」
「戦場に立つものですね」
「そうだ、戦場に立ちだ」
 そうしてというのだ。
「そのうえでだ」
「戦われるのですね」
「今も」
「そうされますね」
「そうする、だからだ」
 それでというのだ。
「私は戦争になるとだ」
「常にですか」
「戦場に出られますか」
「そうされますか」
「今の様にな。イスラムは人に戦わせろと言い自分は安全な場所にいる教えではない」
 シャイターンはこうした行動を否定した。
「そうだな」
「はい、それはありません」
「決して」
「対立や分裂を煽り戦争を誘い」
「そして自らは安全な場所にいる教えではありません」
「それは違います」
「宗教では聖職者がそうだ」
 十字軍や異端審問の時のキリスト教のその立場にある者達のことを意識しての言葉だ、そうでない者もいたがそうであった者もいたのだ。
「やたらと対立や分裂を政治的に煽る宗教の特徴だな」
「はい、人にそう言ってです」
「自らは安全な場所にいます」
「好戦的であり極端なことを言いますが」
「自分はそうした場所にはいません」
「聖職者でなくともだ」
 宗教関係者に限らずというのだ。
「マスコミにもいるな」
「知識人にもですね」
「対立や分裂を煽りますが」
「自らは戦場に出ない」
「やはり安全な場所にいる輩が」
「私は違う」
 断じてとだ、シャイターンは言い切った。
「そうした者達とはな」
「はい、確かに」
「閣下はその様なことはされません」
「断じて」
「それはイスラム自体がだ、ムハンマドは自ら戦った」
 この教えを拓いた彼もというのだ。
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