第三十四話 妹達への提案その五
[8]前話 [2]次話
「そうなったのよ」
「結核ね」
「その頃は助からない病気だったから」
その為にというのだ。
「京都の高校行ってた頃に発病して」
寮の中で血を吐いたという。
「それからね」
「ずっと結核だったのね」
「それで結核でいよいよって時に」
病状が進行してだ。
「ヒロポン、覚醒剤を打ってね」
「そうしてなのね」
「無理矢理に元気になって」
そうしてというのだ。
「書いていたのよ」
「そうだったのね」
「戦争が終わった後なんかは」
「そうして書いてたの」
「ヒロポン打ちながらね」
結核の病状が進行し身体が満足に動けなくなってもだ。
「そうしていたのよ」
「そうなのね」
「そして書いて」
「お亡くなりになったのね」
「今だったら絶対安静でも」
結核に感染してしまうとだ、隔離されそのうえで抗生物質を投与され時間をかけて治療を受ける。ただし今は助かる病気だ。
「当時は違ったから」
「普通にお外歩けたのね」
「治療法が確立されてなくてね」
そうであってというのだ。
「そうだったからね」
「それでなのね」
「普通にお外歩けたの」
「そうだったのね」
「今は無理よ」
絶対にとだ、真昼は夜空に話した。
「結核になったらもうね」
「わかった時点で隔離よね」
「それで治療受けるのよ」
そうなるというのだ。
「確実にね」
「そうよね」
「だからね」
それでというのだ。
「織田作さんは今だったらね」
「まず隔離されて治療受けて」
「助かってたわ」
「そうなっていたわね」
「昔は脚気と梅毒と結核は国民病だったのよ」
「梅毒って」
夜空はこの感染症が性病であることから姉に引いた顔になって言った。
「ちょっと」
「いや、そうだったのは事実だから」
真昼は何も表情を変えることなく答えた。
「それで注意しないといけない病気だから」
「言うのね」
「そうよ」
まさにというのだ。
「二人だったら浮気しない」
「そうすることね」
「性病はエイズだけじゃないから」
「エイズも怖いわよね」
「けれど梅毒は本当にね」
「昔は助からなかったのね」
「結構な人が亡くなってるから」
作曲家のシューマンもそうであった、梅毒が脳に至り発狂しその中で死んだという。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ