第15話:命令する側の度胸が足りない……
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掛ける。
「つまり!今目の前にいるカイジンニキス港国元老院は、強盗に成り下がった強者よ!」
「ぐぬぬぅ……」
自国の政治家がノブナに散々馬鹿にされているのに、あの男は返す言葉を失ってだんまりしている。
どうやら、カイジンニキス港国元老院が自国の民草に命じた強制帰宅命令に対し、こやつも思うところは有ったと言う事ね?
だとすると……本当にご愁傷様。
で、もうこの男と話す事は無いと感じたノブナが、今度は逃げ惑う民草達に話しかける様に怒鳴った。
「いいか!戦とはそう言う事ぞ!家が焼かれ、家族が殺され、弱い者は土地を奪われる!戦を無くすにはどうすれは良いか、何故戦が起きるか考えろ!」
ここで漸く、ノブナに言い負かされた男が口を開いた。
「この戦いの原因だと……そんなの決まっている!あんな化物の様な島をこの国に送り付けたエイジオブ帝国が悪いのだ!」
が、へそ曲がりなノブナはそこを曲げて答えを出した。
「お前達の上に立っている元老院が呑気で遅過ぎるから、あんな馬鹿デカい船が堂々とここまでのこのこと来れたのであろう?戦が起きるのは、それは上に立つ者が馬鹿者だからじゃ!」
ノブナの奴、本当にあの信長様の様な事を言ってくれる。
だが、現実はそこまで甘くない。
現に、信長様は天下統一を成し遂げる事が出来ず、信長様の部下だった豊臣秀吉が永い年月を掛けて漸く成し遂げたものじゃ。
ノブナよ、現実を知れ!
「で、その人の上に立つべきではない馬鹿を皆殺しにするのに、いったいどれだけの年数が掛かるか本当に解っておるのか?」
「オラウとやら、天下統一は戦を無くす方法に非ず!……とでも言う心算か?」
「いや、豊臣秀吉は天下統一そのものを否定する心算は無い。それに、国をひとつにまとめる考えは間違ってはおりますまい。しかしながら、力で押さえ込めば、新しい敵が次から次へと蛆虫の様に湧いて出ましょう」
ノブナの奴、この豊臣秀吉を鼻で笑いおった。
「なるほど。お前の様な奴がか」
で、ノブナはふとスイゲンの方を視る。
「ま、どっちにしろあの馬鹿デカい船をどうにかせんと……何も始められん。その事実に、嘘偽りは有るまい?」
「つまり、このお話の続きは、あそこに有るスイゲンを沈めてからと言う事か?」
その時、ノブナはニヤリと笑った。
一方、カイジンニキス港国元老院との密約を終えたメッガーネが意気揚々とスイゲンに戻って来た。
「さて、ムソーウ王国はカイジンニキス港国全国民の疎開を決定したそうですが、これで、ムソーウ王国とカイジンニキス港国元老院との激突は決定的でしょう」
それを聴いたヨツメが首を傾げた。
「何で?」
「『何で?』!?ヨツメさん、貴方はもっと、欲深い政治家の生態を勉強した方が身の為ですよ」
そこへ、伝令
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