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星河の覇皇
第八十七部第二章 膠着状態に入りその三十四

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「確かにな」
「左様ですか」
「それではですか」
「我々はアッディーン大統領意外と戦う」
「そうされますね」
「そうする、だが」
 ここでシャイターンはこうも言った、
「隙があると仕掛ける」
「オムダーマン軍にですか」
「そうされますか」
「敵に隙があれば」
「その時に」
「そうする、その時は全軍で動き」
 そうしてというのだ。
「その隙を突破してだ」
「そうしてですね」
「そのうえで、ですね」
「勝利を掴みますね」
「この戦いの」
「そうする、では戦線を構築し」
 そしてというのだ。
「戦力もだ」
「再編成を進め」
「そうしてですね」
「確かな戦力にし」
「再び戦いますね」
「確かに我々は劣勢だ」
 二つの防衛ラインを突破されそうなったことは否定しない、否定してもそれが現実であるからである。
「しかしだ」
「それでもですね」
「その劣勢は覆せる」
「左様ですね」
「まだな、絶望的な状況ではない」
 劣勢といってもというのだ。
「勝敗は戦いの常だ、そして劣勢から覆した事例もだ」
「多いですね」
「戦いにおいては」
「そうですね」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「だからだ」
「ここで諦めないことですね」
「戦意を失うことはない」
「そういうことですね」
「劣勢でも」
「劣勢で士気が落ちる様ではだ」
 それではというのだ。
「どういった組織でも程度が知れている」
「軍だけではないですか」
「このことは」
「劣勢で萎えるのではですか」
「程度が知れますか」
「フリードリヒ大王のプロイセン軍を見るのだ」 
 激戦に勝ち続けそれまで小国だったプロイセンを欧州の大国の一国にまでしたその国の軍隊をというのだ。
「彼等は七年戦争でどうであったか」
「はい、オーストリアとロシアとフランスに囲まれ」
「そこに欧州の他の国々も入り」
「合わせて三十倍の国力差の敵と戦いました」
「しかも完全に囲まれていました」
「まさに絶体絶命だった」
 これはオーストリア継承戦争でシュレージェンを奪われたオーストリアが外交によってプロイセンの台頭を嫌っていたロシアとフランスを味方につけた結果である、ここに女性蔑視主義者であるフリードリヒ大王を嫌ったオーストリアの事実上の君主マリア=テレジアにロシアのエリザベータ女帝とフランス国王ルイ十五世の寵妃ポンバドゥール侯爵夫人の感情も加わっていたと指摘する説もある。
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