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邪教、引き継ぎます
第五章
43.時間との戦い
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いた棍棒、左手には剣を握っていた。下半身は足がなく長い尻尾となっており、その先は弓が装着されている。
 そして一番の特徴は、少女が驚いていたように、宙に浮くことだった。

「どうやって浮いてるんだ……って、お前も大灯台に現れたときに浮いてたな。同じ仕組みか」
「うーん、ちょっと違う。技術的にはもっと高度というかなんというか」
「わけわからんぞ……。やっぱりこれも、お前がいた世界で作られていたものなんだな」
「うん。たしか、大昔に犯罪者グループが悪いことをするのに使ってたマシン、だったかな」
「そんなものを使って大丈夫なのかよ」
「ちゃんと言うことは聞かせるから大丈夫だよ。本質的にはきみが持っている斧と同じなのさ。どんな危険なモノも、結局は誰がどう使うかだからね」

 バーサーカーの少女はタクトの言葉に少し驚いたような表情を浮かべると、その金属体の生物にゆっくり近づいた。彼のすぐ隣に立つ。

「こいつ、名前はなんて言うんだ」
「うーん。そうだね。キラーマシン2ってとこ?」
「それはお前が前に思い付きで言った名前だろ」
「長々とした正式名称があると思うんだけど、さすがに覚えてないからね。それでいいや」

 キラーマシンだって正しい名前じゃないよ? とタクトは笑う。

「さーて。今日の探索はここまでにしようかな。帰ろっか」

 褐色の少女は軽く息を吐き、後ろを振り返った。

「……今日オレが同行した意味はなんだったんだ?」

 振り返った先には、二十体を超えるキラーマシンが控えていた。
 今日の発掘作業は彼らがやっており、特に少女が作業に参加する必要はなかったのである。

「いや、ほら、キラーマシンたちって話せないし見かけも地味でしょ? 話せてきれいな女の子が隣にいたほうが退屈しなくていいって思ったんだよね」
「……」
「あれ!? 怒らない!? いつもだとここで『お前は本当に味方なのか』とか『お前は斧でバラす』とか言って斧がキラーンって光るのに!」

 また一つ、少女はため息をついた。

「さすがにもうオレにもわかる。お前が実は敵という可能性がないってことくらいはな。それにこの装備といい、お前には借りが大きすぎる」

 少女は軽く手を広げ、自身の体を見た。
 体を密着して覆っている緑色の薄い戦闘服。タクトの国において作業服として使われていたというそれは、高い防御力で彼女の命を何度も守り、素晴らしい軽量さと可動性で彼女の動きを助けてきた。

「ふふふ。ちょっとおれの評価上がってる? うれしいなあ」
「……。この調子でキラーマシン3でも4でも発掘していければ、オレらの戦力はずいぶん上がるんじゃないか」
「それは思うけどさ。そううまく行くかな」
「心配でもあるのか」
「うん。一つは、ロ
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