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彼は いつから私の彼氏?
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「なんで 始まる前に言わないんだよー」と、翔琉君が・・・

 私は、この日 算数の教科書を忘れてきてしまったのだ。だから、クラスの決まりで忘れ物をした人は授業が始まる前に教室の後ろに立って、そのことを皆の前で報告して何とか許してもらうのだ。今なら教育委員会の懲罰ギリギリなんだろうか。そして、先生から「となりの人に見せてもらいなさい」の冷たい声で、机を寄せて教科書を見せてもらって授業を受けるのだ。

「だって そんなこと ゆわれへんヤン 恥ずかしい!」

「あほっ それっくらい 俺には言えよー 女の子が後ろに立つ方が恥ずかしいやろー 先に俺に言えば 代わりに立ってやるのにー」

「・・・ そんなん・・・」だけど、見せてもらっている教科書は、余白のところがヘタクソなマンガがあちこちに書かれていて落書きだらけで、翔琉君は授業を真面目に聞いていないんじゃぁないのかと思っていたのだ。それでも 彼の言葉にキュンとしていたのだ。

 欅原翔琉《けやきばらかける》 幼稚園から一緒なんだけど、彼は幼稚園の時のことは覚えていないと言うか 私のことなんか 気に掛けもしてなかったみたい。そして、小学校に入学した時も、同じクラスで席も隣同士だったのに・・・1年生の時は、まだ、机は2人掛けでくっついていた。2年生になってからは1人ずつの机になったのだ。でも、2年・3年生の時は違うクラスで離れてしまったのだ。

 4年生になって、再び同じクラスに・・・4年から6年生までは ず〜っと クラス替えがないから 一緒のクラスで。そして、席替えが行われても 私の隣りには なぜか 彼が居ることが多かったのだ。担任の先生も どうして いつも 私達を並ばせるんだろかと考えたこともあった。クラスの皆は気付いて無いだろうけど、私は意識していたのだ。彼は・・・どうなのか わからない。だけど 席に座っている時だけは、いつも 彼と一緒っていう感覚が・・・私には・・・。

 6年生になった時も、隣りの席には翔琉君が居た。

「なんだ また お前かぁー」

「ぅぅー・・・ わたくしは嬉しくって 涙が出てきそうでございます チミはどうして こんなカワイ子ちゃんの隣りになって幸せだなーぁ とか言えないん?」 腹ん中はくそぉーって思っていたのだが

「はぁーぁ お前 熱あるんか? 保健室行けよー」

「もぉー そんなんちゃうわー」

 1学期が始まってしばらくした時、先生が「今から 隣りの人でも良いし クラスの中で気になっている人でも良いし その人の良い所を言葉にして書きなさい 他人の良い所を見つけて確認するって大切なことよ 相手が異性だって恥ずかしがらないでいいわよー はっきり 相手にも伝えるって素敵なことなのよ あとで 発表してもらいますからー」

 河道屋楓《かわみ
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