当て
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ウスケは、より祐太へ顔を近づける。
「なあっ! 祐太! 花園って奴知らねえか!?」
「近い近い離れろって!」
「頼む祐太!」
懇願してくるコウスケに、祐太は顔を引きつらせながら「分かったよ」と頷いた。
「で? 誰を探してほしいんだって? 聞き逃した」
「花園ゆりねって奴だ」
「花園? ……一年の花園ゆりねのことか?」
まさに探していた名前を、祐太の方から口にした。
その事実に、ハルトとコウスケは同時に目を張った。
「知ってるのか!?」
「お前今日はどうしたんだ?」
再びコウスケを宥め、祐太は大きくため息を付いた。
「ったく。逆にお前は知らないのかよ。結構有名人だぜ? ゴスロリ衣装の眼帯ちゃんって」
「オレ見たことねえけど」
「もうちょい見ようぜ、周りを」
祐太はそう言いながら、ポケットからスマホを取り出した。
「ちょっと待っててくれ。花園に連絡するから」
「お前花園の連絡先知ってるのか!?」
「ああ。前に同じ講義で協力したことがあってな」
ポチポチとスマホの画面を操作する祐太。そんな彼を見上げ、ハルトとコウスケは目を合わせた。
「探していたものは、すぐ近くにあったのか……」
「灯台下暗しってことか。……まあ、色々すっ飛ばせてよかったんじゃない?」
「……今までのオレの頑張りは何だったんだよ」
コウスケの口から魂が出そうになっているのを眺めているところで、祐太がスマホの操作を終えた。
「今日この後大丈夫だってよ。家の住所も送られてきた」
「……頼んでおいて何だけど、その子のセキュリティ意識大丈夫?」
昨今の個人情報への危機管理意識としては甘いのではないのかと思いながら、ハルトは苦笑する。
祐太も苦笑いで返事をしながら、自身の時計を確認する。
「そろそろ時間か」
「時間?」
「ひなを迎えにいくんだけど、丁度花園の家、保育園までの途中にあるんだ。一緒に行くか?」
「マジか? ありがてえ!」
コウスケは感極まり、コウスケへ抱き着いた。
「おい、引っ付くなよ暑苦しい!」
コウスケを引き剥がそうとする祐太だが、喜びに満ちたコウスケに歯止めは効かない。周囲の目にも目を配ることなく、コウスケはピョンピョンとはねている。
そして。
「祐太から離れなさい!」
突如として、コウスケの襟首が掴まれる。ハルトが「お」と呟いている間にも、コウスケの体が祐太から引き離され、宙を舞う。
突如として背後より現れたブロンドの美人女性が、コウスケを当て身投げで放り投げたのだ。
食堂のど真ん中に背中から墜落したコウスケが「ウゲッ!」と悲鳴を上げる。
見れば、祐太を救出した女性は、コウスケに代わり祐太に張り付
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