第81話「冥王星守備艦隊VSガトランティス艦隊」
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く取り、アウトレンジ攻撃に備えよ! 通信士、至急司令部へ連絡。――敵はメダルーサ級を投入せり、本格的攻勢の可能性大――とな」
その直後、観測員がメダルーサ級に強力な光点と重力変動の感知を報告した。それに対しファイラは直ぐ様、搭載されているシステムを起動させる指示を出す。
「転送予測システム起動、各艦と連動開始せよ!」
「了解しました!全艦、システムに従い各自で回避運動を取れ!」
「回避運動開始!」
各艦の艦長達は重力変動を感知した時点で、瞬時の判断により回避行動に移っていた。艦体各所のスラスターを目一杯吹かして、観測宙域上からの回避を試みる。
「火焔直撃砲、来ますッ」
冥王星守備艦隊の全艦隊が灼熱の火焔に焼かれまいとして回避を行った直後、何もない空間の一部が揺らめき、そして次の瞬間には巨大な業火の濁流が現れて守備艦隊へ襲い掛かった。火焔直撃砲のエネルギー流が宇宙空間に飛び出して来たのだ。
「地球防衛軍含め、被害ありません!」
火焔直撃砲のエネルギー流が止む。
もしも宇宙戦艦ヤマトから攻撃予測データを貰い受け、共有されていなければ……今頃は業火の炎によって焼き尽くされていたに違いない。
ファイラは念の為、引き続き転送予測システム起動を維持するよう命じた。
「…ッ。火焔直撃砲、再び来ます!」
ファイラは自分に感謝した。
全艦隊は再び無事に第二波の火焔直撃砲を受けることも無かったが、このままでは埒が明かない。とはいえ、だ…。
「アルファ、ブラボー、デルタXウィング中隊は敵艦載機デスバデーダ隊と接敵するも全て撃破!」
「チャーリXウィング中隊、ミストラル攻撃機編隊、爆撃機編隊はメダルーサ級含む敵艦隊の1割を撃沈!なおも戦果拡大中!」
現在、艦隊は不本意に動けない状況であるもののXウィングファイターやミストラル攻撃機、爆撃機の活躍により敵艦隊の内、1割を撃沈に追い込む戦果を上げてもなお、現在も戦果拡大中だ。
撃沈した中にはメダルーサ級があり、メダルーサ級はミストラルと爆撃機編隊の活躍により全て撃破。
「地球艦隊の内、ドレッドノート級2隻以下護衛艦戦隊が小ワープを実施。ジャンプしました」
「小ワープだと?…まさか」
オペレーターからの報告にファエラは一瞬、眉を潜めたが直ぐに彼等の思惑を理解し感嘆の息を出した。
「小ワープした地球艦隊、敵ガトランティス艦隊の前方斜め下にワープアウトしました」
「同地球艦隊はラスコー級2隻撃沈、ナスカ級3隻を大破、ククルカン2隻を轟沈させる戦果を上げています。なおも戦果拡大中」
「ほう…」
ファイラは感じた。勝利への兆しが来ていることに…。
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