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八条学園騒動記
第七百六十七話 口臭その十一

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「農業はもうね」
「無縁ね」
「ずっとそうだったわ」
「それが出来る環境でもなかったのね」
「草原はね」
 モンゴル人たちが暮らしていたその場所はというのだ。
「もうね」
「農業は出来なかったのね」
「お水が少なかったから」
 そうした環境だったからだというのだ。
「とてもね」
「出来なかったのね」
「そうだったの」
 これがというのだ。
「本当にね」
「それでずっと農業してなかったの」
「今はやってるけれどね」 
 宇宙に進出してからはというのだ。
「昔はしてなくてむしろ」
「むしろ?」
「敵とさえね」
 そこまでというのだ。
「思っていたのよ」
「農業は」
「周りの国は農業していて」
「その国と戦かったから」
「そうだったし草原を耕したら」
 そうすると、というのだ。
「お水内からすぐに砂漠になるから」
「草がなくなって」
「だからね」
 そうなるからだというのだ。
「農業はね」
「敵だったのね」
「そう思ってたのよ」
「そうだったのね」
「モンゴルではね」
「モンゴル独自ね」
「農業をすると砂漠になるから」
 畑にしようと土を耕すとだ、水気がない土で空気は乾燥し雨も降らないのではそうなるのが当然である。
「出来なくて」
「それでなのね」
「農業は敵だったのよ」
「草原では」
「そう、地球にあった頃はね」
 ナンはその頃のことを話した。
「間違ってもね」
「モンゴルでは農業は出来なくて」
「それで敵だったのよ」
「そういうことね」
「宇宙に出て農業が出来る星や地域を手に入れて」
「農業もはじめたのね」
「それで今はやってるけれど」
 それでもというのだ。
「私のお家は昔ながらのね」
「遊牧民なのね」
「代々それをやってるのよ、昔ながらの生活をしてると」
 モンゴル人のそれをというのだ。
「一番いいってね」
「考えてなの」
「それでよ」
 だからだというのだ。
「今お家がある星にご先祖様が移住してからも」
「遊牧民として暮らしてるの」
「羊の群れを連れて馬に乗って」
「ゲルで暮らしてるのね」
「そうしてるの」
 まさにというのだ。
「それで結構質素というとね」
「質素なのね」
「そのせいか歯磨きもよ」
 ここでだった、ナンは。
 自分の歯磨き粉の話をした、アロアにそれが何かを話すのだった。


口臭   完


                   2024・6・9
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