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星河の覇皇
第八十七部第二章 膠着状態に入りその二十八

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「これまで通りだ」
「一般の将兵達と同じものですね」
「それでいい、食器もな」
「これまで通りですね」
「普通のものでだ」
「宜しいですね」
「そうだ、銀のものを使うのが贅沢と言うが」
 このことはサハラでも同じである、銀や高価な陶器の食器を使うことがサハラでも立場や財産のある者のステータスになっているのだ。
「それはな」
「興味が、ですね」
「ない、だが皇帝になるとか」
「はい、食器はです」
「銀だな」
「それが絶対となります」
「それが皇帝か」
 アッディーンはこのことには微妙な顔で述べた。
「そうなのだな」
「エチオピア皇帝もそうですし」
「日本の天皇もだな」
「極めて質素ですが」
「食器はだな」
「やはり格式というものがあり」
 それでというのだ。
「どうしてもです」
「そのことはだな」
「はい、絶対となっています」
 食器のことはというのだ。
「スプーン一つにしてもです」
「銀だな」
「はい、それであり」
 そしてというのだ。
「皇室の方はです」
「どなたもか」
「使われているとか」
「そうなのか、皇帝になるということはそういうことか」
「はい、格式があり」
 そしてというのだ。
「それなりの格式のある生活になります」
「そうなのだな」
「そして日本の皇室は」
「その格式に相応しいか」
「暮らしを送られています」
「それは私も見たが」
 実際に日本を訪問してだ、連合各国の歴訪は彼にしてもシャイターンにしても多くのことを学ぶいい機会だった。
「極めて質素だが」
「それでいてです」
「格式もか」
「存在し」
 そしてというのだ。
「食器もです」
「銀のものか」
「左様です」
「そういえば服もだ」
 帝だけでなく皇室の方々が着ておられた服のことをここで思い出した。
「随分とだ」
「質素であってもでしたね」
「生地もデザインもな」
「いいものでしたね」
「シルクでな」
 それも最上級のだ。
「いいものだった」
「それが格式です」
「質素であってもか」
「はい、格式はあります」
「格式のある質素さか」
「下品な奢侈もあれば」
 それと共にというのだ。
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