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夢幻水滸伝
第三百六十三話 時は止まらないその十八
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「残念に思う時もあるわ」
「どの方もそれぞれの種族の中では美形ですが」
「いや、やっぱり人は顔やないな」
 このことを実感している言葉だった。
「ほんまな」
「そうなのですね」
「顔で人をどうか言うのは最初だけにせんとな」
 そうでなければというのだ。
「下手したら痛い目見るわ」
「人は顔だけではない、ですね」
「中身見んとな」
「性格が大事ですね」
「そや、ただわし等皆個性派やが」
「どの方も素晴らしい方です」
 グリフォンはすぐに答えた。
「まことに」
「わしもか」
「はい、性格も」
「わしは自分ではそう思わんがそう言ってくれるならな」
 メルヴィルは微笑んで応えた。
「ええけどな」
「それならですね」
「ああ、しかしそれでもな」
「性格がよくともですね」
「縁がないとな」
 そうであると、というのだ。
「もうな」
「恋愛は出来ないですね」
「ああ、縁は大事やな」
「これは神霊の導きですね」
「キリスト教でも神様のな」
「左様ですね」
「ほんま縁ないわ」
 メルヴィルは苦笑いで述べた。
「わし等はな」
「どちらの世界でもですね」
「ああ、ただ将兵が恋愛してもな」
「構わないですね」
「軍務に支障が出んとな、同性愛もな」
 こちらもというのだ。
「わし等の中でそっちの趣味のもんはおらへんが」
「構わないですね」
「ええわ」 
 特にというのだ。
「ほんまな」
「そうなのですね」
「ああ、しかもこっちのキリスト教は同性愛に寛容やしな」
 そうした考えに変わったのだ、宗教の教義というものも時と場所によって変わるものであるのだ。それが同じ宗教でもだ。
「それでな」
「それで、ですね」
「ええわ、それで民はどんどんな」
「恋愛をして」
「結婚してな」
 そうしてというのだ。
「幸せな家庭築いて」
「子供を作ってもらいますね」
「そうしたら人口が増えてな」
「国も豊かになりますね」
「そうなるさかいな」 
 だからだというのだ。
「是非な」
「恋愛をしてもらいますね」
「結婚もな、それでわし等も縁があれば」
 その時はというのだ。
「結婚したいわ」
「ご縁があらんことを」
「おおきにな、そう言ってくれるとは自分ええ奴やな」
「そうでしょうか」
「前から思ってたけどな」
 グリフォンに笑顔で話した。
「そやな」
「嬉しいお言葉です」
「事実や、ほな明日から総攻撃かけるし」 
 彼もまたその考えだった、今は戦っているトウェインと同じく。
「それでな」
「もうお休みになられますね」
「そうするわ、寝んとな」 
 そうしなければというのだ。
「やっぱりな」
「満足に戦えませんね」
「そやからな」
 だからだというの
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