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夢幻水滸伝
第三百六十三話 時は止まらないその十六

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「出来る」
「お相手の方が、ですか」
「そして時間もあればな」
 このことも言うのだった。
「出来る」
「そうですか」
「その二つがないとな」
「ご結婚も出来ないですね」
「そや」 
 まさにというのだ。
「これがな」
「そういうことですね」
「そや、ほんまな」
 何といってもというのだ。
「結婚その前の交際はな」
「お相手がおられて時間がある」
「その前に縁やな」 
 この要素のことも話すのだった。
「それもないとな」
「出来ないことですね」
「そしてわい等の殆どはな」
 まさにというのだった。
「何もないわ」
「ご縁もお相手もお時間も」
「全部な」
 それこそというのだ。
「全くない、それでや」
「殆どの方が独身ですか」
「こっちの世界に来てそれなりになるけどな」
 そう言っていい時が経過していてもというのだ。
「ほんまな」
「そうしたお話とは無縁ですか」
「ずっとな、しかし時間がない筈やのに」
 それでもというのだった。
「欧州のあいつはな」
「お相手の方がですね」
「まさに星の数だけおってな」
 そうであってというのだ。
「もう色々な種族の女の子とや」
「お付き合いしていますか」
「ふざけたことに在原業平さんみたいにな」
 六歌仙の一人であり絶世の美男子であったと言い伝えられている、伊勢物語の主人公であるとも言われている、
「一万数千ものな」
「女性と、ですか」
「そうらしいしな」
「それは物凄いですね」
「何でも彼氏さんいる人や人妻さんとは付き合わんらしいが」 
 それでもというのだ。
「そやけどな」
「それでもですね」
「一万数千とかな」 
 それだけのというのだ。
「とんでもない数やな」
「そうですね」
 サンダーバードも驚きを隠せない顔で述べた。
「本当かどうか」
「どうも本当らしい、星のモンでもな」
 多忙な筈のというのだ、ここでは縁のことは言っていない。
「それだけな」
「もてますね」
「そしてな」
「お相手がおられますね」
「そうしたモンもおるわ」
「そうなのですね」
「しかし羨ましいか」
 それはというと。
「別にな」
「思われないですか」
「ああ、あいつはあいつでな」
 トウェインは笑って話した。
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