第三十三話 二人でいられるならその十一
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「夫婦で食べてるし」
「そうですか」
「飲めばわかるわ」
「夫婦善哉をですね」
「そうよ、実際は夫婦じゃなくて」
蝶子と柳吉の関係はだ。
「旦那さんは本妻さんがいて」
「じゃあお妾さんですか」
「最初はね、それがね」
その間柄がというのだ。
「主人公のお家にすっかり入って」
「実質的な夫婦になったんですか」
「それで大阪であれこれ商売を変えながら」
「暮しているんですか」
「そうした作品でね」
夫婦善哉はというのだ。
「夫婦で食べに行ってるから」
「そうしたお店なので」
「作品の実際の夫婦関係は置いていて」
そうしてというのだ。
「夫婦、カップルってことでね」
「行けばいいんですね」
「そうして一緒に食べたらね」
そうすればというのだ。
「いいのよ」
「そうですか」
「だからね」
それでというのだ。
「今の私達だと夜空ちゃんと佐京君ね」
「兄さん達ですか」
「そう、二人はね」
まさにというのだ。
「行ったらいいわ」
「夫婦善哉とかにですね」
「自由軒でもね。もう今はなくて後継店が船場にあるけれど」
それでもとだ、真昼は話した。
「いづも屋にもね」
「鰻ですね」
「行くといいわ」
「そうですか」
「織田作さんのお店を巡って」
二人でというのだ。
「絆を深めてもいいのよ」
「そうですか」
「織田作さんは生前はね」
彼が活躍したのは昭和十四年からだ、尚京都の第三高等学校に在籍しており東京にいた頃もあった。
「人生の殆どを大阪で過ごしていてね」
「大阪がお好きで」
「今もで織田作さんが通っていたお店も」
「ありますね」
「今もね、だからね」
「そうしたお店を巡って」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「楽しめばいいのよ」
「二人で、ですね」
「そうよ」
まさにというのだ。
「夜空ちゃん達もね」
「いいですね、では提案しますか」
「そうね」
白華の提案に笑顔で頷いた。
「それじゃあね」
「そうしましょう」
「神戸からすぐだし」
「簡単に行き来出来るので」
「だからね」
距離のことも問題ないからだというのだ。
「それでね」
「兄さん達に言ってみますね」
「明日の朝にもね」
「そうされますね」
「ええ、じゃあ今日はね」
真昼は微笑んで話した。
「そろそろね」
「寝ますか」
「ええ、そうしましょう」
「そうですね、それじゃあ」
「お休みなさいね」
「はい、お休みなさい」
白華は笑顔で挨拶をした、そうしてだった。
真昼に一礼すると自分の部屋に戻った、真昼はその彼女に手を振って別れを告げた。そのうえで自分のベッドに入ったのだった。
第三十三話 完
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ