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博士の挑戦状
第百七十七話

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               第百七十七話  警察の決意
 兵庫県警はブリーフ13を何としても逮捕することにした、だがその罪状については彼等の意見は物騒なものではなかった。
「おそらく多くの人を殺している」
「スナイパーとして世界を股にかけているからな」
「その中で依頼を受けて多くの人を殺しているという」
「だが証拠がない」
「警察は証拠がないと動けない」
「だからこのことはいい」
「あの男は殺人容疑では逮捕しない」
 こう言うのだった。
「証拠は全く見付からない」
「だからこのことはいい」
「特にな」
「問題はあの姿だ」
「街を白ブリーフ一枚で歩いている」
「このことだけで問題だ」
「猥褻物陳列罪だ」
 このことが問われるのだった。
「そのことが問題だ」
「あの恰好こそが問題だ」
「すぐに通報される」
「市民が動いてくれる」
「そんな恰好の奴が通報されない筈がない」
「事実多くの通報事例がある」
 ブリーフ13はそうであるのだ。
「通報が来たら動くぞ」
「その時こそ逮捕する」
「抵抗しようとするなら容赦するな」
「鯨用の麻酔が入った銃を撃て」
 象ですらなかった。
「そして大人しくさせるんだ」
「そのうえで逮捕するぞ」
「後は裁判だ」
「裁判所に猥褻物陳列罪で裁いてもらおう」
「殺人は立証出来なくてもいい」
「どのみち裏の世界の話だ」
「表で出ていないならどうにもならない」
 こう言って放置するのだった。
「特にな」
「それじゃあいい」
「殺人は気にするな」
「その恰好は確実に犯罪だ」
「それで捕まえればいい」
「日本の警察を甘く見るな」
「そんな恰好で街を歩けばどうなるか思い知らせてやる」
 白ブリーフ一枚で外を歩けばというのだ。
「やってやる」
「市民の皆さん通報して下さい」
「我々も捜査しますが」
「是非そうして下さい」
 こう言いつつ捜査にあたった、兎角ブリーフ13を逮捕せんとしていた。猥褻物陳列罪の罪に置いて。


第百七十七話   完


                    2024・6・26
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