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ドリトル先生と奇麗な薔薇達
第十幕その四

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「日本の食べものはいいね」
「いや、納豆ってね」
 ダブダブはこの食べものについて言いました。
「噂には聞いていたけれど凄い食べものだよ」
「糸引いてるからね」
 チーチーは納豆のこのことについてお話しました。
「腐ってると思うよね」
「匂いも強烈だしね」
 ジップは犬なので余計に感じるのです。
「あれは」
「あんなの食べられるかって思うけれど」
 ホワイティはそれでもと言いました。
「食べると美味しいのよね」
「これが案外ね」
「あっさりしてるのよね」
 チープサイドの家族もお話します。
「しかも身体にいいしね」
「考えてみれば大豆だし」
「不思議な食べものよ」
 ポリネシアは心から思って言いました。
「納豆はね」
「日本の食べものは色々あるけれど」
 それでもと言うガブガブでした。
「また極めつけよね」
「けれど美味しくて」
「先生も好きになってね」 
 オシツオサレツはそれでと二つの頭でお話します。
「よく食べるね」
「特に朝にね」
「朝の納豆がいいってね」 
 老馬は先生を見て言いました。
「先生言うしね」
「それで食べて頭がよくなるなら」
 トートーも先生を見ています、そのうえで言うのでした。
「かなりいい食べものだね」
「そうだね、そしてお魚にお味噌もね」
 先生は皆に応えて緑茶を飲みながらお話しました。
「お葱もね」
「頭にいいね」
「そうだね」
「それで先生の頭の冴えもいいね」
「日本に来てからさらに」
「そうなっているなら」
 それならと言う先生でした。
「有り難いよ、梅干しも今飲んでいる緑茶も」
「頭にいいんだね」
「そうしたものも」
「そう言われているんだ」
「そうなんだ、ではね」
 それならというのでした。
「今日の夜はお刺身らしいし」
「ああ、お魚だね」
「今夜も」
「そうだね」
「だからね」 
 それでというのです。
「また頭がよくなるよ」
「そうだね」
「しかも美味しいしね」
「言うことないね」
「うん、ただ人の頭は人種では決まらないよ」 
 先生は皆に穏やかですが確かな声でお話しました。
「決してね」
「民族や宗教でもね」
「そうしたことで決まらないね」
「そうなのよね」
「そうだよ、知能指数とかは訓練や環境でね」
 そうしたものでというのです。
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