第十幕その三
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「造られてはどうでしょうか」
「いいですね、では」
「宝石商や職人の方にですね」
「お話します」
「お金の方は大丈夫ですね」
「ご安心下さい」
笑顔での返事でした。
「ご存知と思いますが私の家はです」
「資産家でしたね」
「そうです、ですから」
「宝石もですね」
「問題ありません」
「用意出来ますか」
「勿論です」
笑顔での返事でした。
「そちらも」
「それでは」
「ではすぐにです」
「用意をされますか」
「そうします」
この時も笑顔で返事をするエンベルグさんでした、そのお話が終わると先生は研究室に戻りました。するとです。
先生にです、動物の皆がこう言いました。
「いや、冴えてるね」
「先生凄い閃きだったね」
「どんどん閃いたね」
「そうなっていたね」
「自分でも驚いているよ」
先生は皆に笑顔で応えました。
「閃きが続いてね、ただね」
「ただ?」
「ただっていうと?」
「何かあったの?」
「いや、日本に来てから」
そうしてからというのです。
「記憶力も閃きもね」
「ああ、いいね」
「先生日本に来てからよくなってるよ」
「イギリスにいた頃からだけれど」
「日本に来てからね」
「さらによくなってね」
「頭の動き全体がね」
「そうだね、本当にね」
まさにというのです。
「そうなっているよ」
「日本に来て色々いいことになってるけれど」
「先生も僕達も」
「それはどうなっているか」
「心当たりあるかな」
「食生活かもね」
先生は緑茶を飲みつつ応えました。
「それは」
「ああ、日本の」
「日本の食生活なんだ」
「そのお陰なのね」
「今朝のメニューを思い出してね」
こちらをというのです。
「メザシ、お魚にお味噌汁に納豆だね」
「納豆にはお葱入れたね」
「刻んだのをね」
「お味噌汁にも入れたね」
「うん、そうしてね」
そのうえでというのです。
「食べたね」
「ああ、全部言われてるね」
「食べると頭がよくなるって」
「お魚もお味噌も」
「納豆もお葱もね」
「そうしたものだね」
「そうしたものをいつも食べているからね」
日本に来てからというのです。
「それでだね」
「頭の動くがよくなったんだね」
「そうなったのね」
「イギリスにいた時と比べて」
「そうだろうね、いや本当に」
全く以てというのです。
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