第七百六十七話 口臭その一
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口臭
アロアにだ、ナンはふと彼女とクラスの中で話をしている時に言った。
「あんた今薔薇の口臭がするわよ」
「実は歯磨き粉変えたの」
アロアはこう答えた、クラスの後ろの壁に並んで立って話している。
「そうしたの」
「薔薇の香りがする歯磨き粉?」
「それにね」
「それで口臭もそうなのね」
「そう、薔薇の香りがするのよ」
「そうなのね」
「いや、お口の匂いってね」
アロアはナンに嫌そうな顔で話した。
「自分じゃ気付かないでしょ」
「そうはね」
「だから気をつけてるけれど」
「薔薇の香りがしたらいいわね」
「そう思ってね」
それでというのだ。
「歯磨き粉変えたの」
「そういうことね」
「これまでは無臭のだったけれど」
「無臭の歯磨き粉でもね」
ナンはそれでもと言った。
「お口の中奇麗になるし」
「匂いもしなくなるわね」
「そうだけれど」
「しなくなるよりいい香りがした方がいいでしょ」
アロアはこう返した。
「そうでしょ」
「ええ」
ナンもその通りだと答えた。
「そう思うわ」
「やっぱりそうよね」
「いや、遊牧してたら」
ナンはここで自分のかつての暮らしから話した。
「昔は歯磨きもお風呂もね」
「しなかったわね」
「今は簡易のお風呂があって」
「ナンでも入られるわね」
「折り畳み式のね」
「お水も空気から作る」
「そうしたのがあるけれど」
それでもというのだ。
「昔はね」
「そうしたのもなくて」
「それでね」
その為にというのだ。
「お風呂なんてね」
「入らなくて」
「歯磨きもよ」
「しなかったのね」
「昔のモンゴル人はね」
「何か色々凄い生活ね」
「モンゴル高原の生活は極限だったのよ」
そう言っていいものだったというのだ。
「ぎりぎりの生活だったのよ」
「だからお風呂もなくて」
「たまに水浴びする位ね」
「当然冬は入らないわね」
「勿論よ、お洗濯もしないし」
「そのことも凄いわね」
「お洗濯したら法律違反だったし」
ナンは笑って話した。
「チンギス=ハーン様が定められたのよ」
「あの世界を席巻した」
「偉大なあの方がね」
モンゴルではこの人物は神格化されていてこうまで呼ばれている、彼の四人の息子達も孫の主な者達もでフビライもそこに入っている。
「そう定められたの」
「どうしてよ」
「だってね」
その理由はというと。
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