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神々の塔
第八十話 最強の天使その九

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「だから我々もだ」
「人を滅ぼすこともですか」
「ない、だが神は自ら動かれることを望まれている」 
 こうも言うのだった。
「だからな」
「うち等はですね」
「自らな」
 まさにというのだ。
「動いてな」
「この世界を救うことですね」
「自分達の力でな」
「そうなんですね」
「そしてだ」
 さらにだ、メタトロンは言った。
「その力を得ることをな」
「望まれてて」
「それでだ」
 そう考えるからだというのだ。
「この塔にもだ」
「天使さん達を送ってですね」
「試練を与えているのだ」
「そうなんですね」
「他の界の神霊の方々ともお話をされてな」
「それぞれの神界でお話もしますか」
「している、交流もあることは知っているな」
「はい」
 綾乃は確かにと答えた。
「そのことは」
「それでだ」
「お話もですか」
「してな」
 そうしていてというのだ。
「関係もだ」
「悪くないですか」
「悪魔達とも話をしている」
 相反する彼等もというのだ。
「彼等は確かに神から離れたが」
「それでもですか」
「しかしだ」
 それでもというのだ。
「話はしている、間に他の神が入ってな」
「そうしてですか」
「やはり関係はよくないが」
「やっぱりそうですか」
「彼等は我々から見れば反逆者だからな」
 それ故にというのだ。
「お互いに嫌い合っている」
「そうですか」
「しかしだ」
 それでもというのだ。
「争うまではだ」
「関係は悪くないですか」
「そこまではな」
「そうですか」
「共に世界を司り守護している」
 そうだというのだ。
「だからな」
「それで、ですか」
「仲は悪くともな」 
 そうであるがというのだ。
「話は出来ている」
「そうですか」
「喧嘩はしていない」
「喧嘩は、ですね」
「そうだ、あくまでな」
「間に入ってもらって」
「そのうえでな、どうしても仲介者がいないとな」
 そうでないと、というのだ。
「話が出来ないが」
「それでも出来るんですね」
「その程度にはな」
「お話は出来ますか」
「そうだ」
 こう綾乃に言うのだった、メタトロンは彼女に対して極めて真摯で真面目な態度で話をしていっていた。
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