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ハッピークローバー
第百四十一話 楽園はなくてもその十一

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「とてもね」
「そうよね」
「幸せを感じるにもね」
「考えられないとね」
「何も考えられない位忙しいと」
 そうした状況下になればというのだ。
「幸せとか苦しいとかね」
「考えられなくなるわね」
「その忙しいことに対して必死で」
 そうなってというのだ。
「脇目も振らずで」
「幸せとかは」
「もうね」
 それこそというのだ。
「全くね」
「考えられないわね」
「そうなるしね」
「考えられないと」
「本当にね」 
 まさにというのだ。
「何もだよ」
「感じないわね」
「幸せともね、人間は考えるから」
「幸せになれるわね」
「若し一切考えることがない場所が楽園なら」
 古田はアダムとイブのことを考えつつ話した、キリスト教自体に異を感じた訳ではないにしてもだ。
「ぞれは本当に楽園か」
「疑問ね」
「殆ど考えないでおかしな人についていって」
 理虹にこうも言った。
「カルト教団や変な政党に入って」
「そうして幸せになれるか」
「自分ではそう思っても」
「幸せになれないわね」
「例えばヘイトを煽るだけの人が誰かを幸せに出来るか」
「出来ないわね」
「出来る筈がないよ」
 古田は言い切った。
「ヘイト、憎しみって争いとかを生むだけで」
「いいものは生まないわね」
「それを煽ってばかりで」
 そうであってというのだ。
「人を罵って中傷して馬鹿にして」
「そんなことばかり言う人は」
「誰も幸せにしないよ」
「そうよね」
「そんな人についていっても」
「幸せになれないわね」
「後に待っているのはね」 
 騙されてついていった後はというと、
「只の荒れ地だよ」
「それがあるだけね」
「そんな人は騙すことが目的だったりするし」
「ついてきている人は利用するだけね」
「自分しかなくて」
 そうであってというのだ。
「本当に他の人はね」
「利用するだけね」
「嘘だって平気で吐くし」
「それで人を騙すから」
「ついていったらね」
「かえって不幸になるわね」
「知らぬが仏というけれど」
 古田はこの諺も出して話した。
「もうね」
「それこそよね」
「何もね」
 それこそというのだ。
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