第三十三話 二人でいられるならその五
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「雰囲気、オーラにね」
「出るから」
「だからね」
それでというのだ。
「そこでね」
「わかるわね」
夜空も確かにと頷いた。
「佐京君も」
「感情を隠すのが忍者っていうけれど」
「二人共わかりやすいわね」
「ええ、ただよく考えたら」
真昼はこうも言った。
「感情出すのって忍者としては失格かしら」
「感情を隠すものだから」
「そうだからね」
それ故にというのだ。
「二人共ね」
「そうなるの。けれど今の忍術ってね」
夜空は真昼に今二人が励んでいるそちらの話をした。
「別にああしたことしないでしょ」
「隠れたり」
「そう、言うならスパイよね」
「忍者はね」
真昼もその通りだと答えた。
「そうよ」
「そうよね」
「だから感情を出したらね」
「駄目よね」
「スパイが感情を出したら」
「すぐにスパイってばれるわね」
「目立つしね」
このこともあってというのだ。
「目立ったらね」
「注目されて誰だって思われて」
「警戒されるわよね」
「ええ、もうスパイはね」
夜空も彼等のことを話した。
「まずはね」
「隠れることでしょ」
「そして目立たないことね」
「それこそその辺りの石や草花みたいに」
そうした感じでとだ、真昼は話した。
「いてね」
「相手に気付かれないで」
「自分のお仕事をするものだから」
「スパイは目立ったら駄目ね」
「そして忍者もね」
「スパイだから」
「同じよ」
こう妹に言うのだった。
「やっぱりね」
「そうよね、けれどね」
「それでもなのね」
「二人とも将来スパイになるか」
こう妹に言うのだった。
「それはね」
「ないわね」
真昼はそれはと答えた。
「真田家も十勇士のお家の人達も別にね」
「スパイになってる人いないわね」
「普通のサラリーマン、八条グループの社員になってる人がね」
「殆どよね」
「公務員とか自営業になってる人もいるけれど」
それでもというのだ、真昼は夜空に対して考える顔になってそのうえでさらに話していった。二人の手は止まっていない。
「けれどね」
「スパイの人はいないわね」
「忍者のお家で忍術をしていても」
「そうよね、今の忍術って」
夜空はそれはと話した。
「武道よね」
「そうね」
真昼も確かにと頷いた。
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