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金木犀の許嫁
第三十三話 二人でいられるならその三

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「白華ちゃんいい娘だから」
「よかったわね」
「そう、若し悪い娘だったら」
「大変だったわね」
「正確が凄く悪かったりして」
 そうであってというのだ。
「一緒にいられない様な娘だとね」
「このお屋敷に入っても」
「全くね」
 それこそというのだ。
「楽しくなんてね」
「出来なかったわね」
「そうだったわ」
「そうよね」
 夜空もまさにと頷いた。
「あの娘が悪い娘だったら」
「本当にね」
「そうだったし」
「白華ちゃんもいい娘で」
「よかったわ」
 佐京だけでなくとだ、夜空は彼女のことを思い出しつつ答えた。
「実際ね」
「そうよね、家族皆良い人だったらね」
「それならよね」
「それだけで幸せよ」
「そうよね」
「そしてね」
 それにとだ、真昼はさらに話した。
「幸雄さんもね」
「いい人よね」
「家族に碌でもない人いたら」
「それだけで大変よね」
「いるからね、そんな人も」
 真昼は自分が言ったその碌でもない人物について考えつつ話した、モラルがなく暴力を振るい浮気もする様な輩をだ。
「そうなったらね」
「それだけで大変だから」
「それでね」
 その為にというのだ。
「家族が皆いい人で」
「平和だったらね」
「それだけで幸せよ」
「そうよね」
「まあね」
 ここで真昼はこうも言った。
「その時いい人とか悪い人とか思っても」
「それでもなのね」
「長い間付き合っていて」
 そうしていってというのだ。
「素顔がわかる場合もね」
「あるのね」
「性格が変わったりもね」
「あるのね」
「そう、だからね」 
 それでというのだ。
「なかなか難しいわよ」
「後で素顔がわかったりするから」
「性格が変わったりね」
「だったら」
 夜空は姉の話をここまで聞いて言った。
「私が急に性格悪くなるとか」
「そこで自分のこと言うのが夜空ちゃんね」
「そうなの?」
「自分に問題があるとか考えるのがね」
 そうしたことをすることがというのだ。
「夜空ちゃんらしいわ」
「そうなのね」
「よくそんな人だとは思わなかったっていうわね」
「何かあって」
「その時そうした面に気付かなくても」
 そんな人だとは、と言う様な面であることは言うまでもない。
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