第三十話 ギアの者達の笑顔その八
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「そう簡単にどうにかなるか」
「そう思うか」
「思うぞ」
まさにというのだ。
「絶対にな」
「そうか、後悔するぞ」
桃井はまた言った。
「それだけ言っておく」
「桃井の旦那、心配性でやんすよ」
ジュウオウも心配はいらないと笑って言った。
「安心するでやんすよ」
「そうだ、機械の身体でそんなに怪我をするか」
モンスターはまた笑顔で言った。
「怪我というか破損か」
「そんなこと有り得ないでやんすね」
「そうだ、桃井は本当に心配症だな」
「そうでやんすね」
こうした話をだ、モンスターとジュウオウは実に明るく話した。二人の話を聞いてギアの面々も何も思うことなく笑って鬼頭が運転する車に乗った。
次の日ドクターマンはドンブラザースの面々に言った。
「修理は完了した」
「大変だったか」
「戦闘後かと思った」
ドクターマンは桃井にシリアスに答えた。
「ダグデド達が来たのかとな」
「それが違う」
桃井はドクターマンにも正直に答えた。
「交通事故だ」
「私が運転する車に乗ったのよ」
張本人の言葉であった。
「助手席なり後部座席にね」
「そうなのか」
「ちなみにシートベルトはしていたわ」
交通マナーは守っていたというのだ。
「皆ね」
「それでか」
「皆怪我したのよ」
「そうなのか」
「そうしてもね」
「はるかの運転は違う」
猿原はドクターマンにこう話した。
「だからな」
「あそこまで破損、いや怪我と言うべきか」
「そうなる」
まさにというのだ。
「乗るとな」
「死ぬかと思ったでやんす」
言い出しっぺの一人ジュウオウの言葉だ。
「いや、本当に」
「全くだ」
「命があって何よりだ」
「あれだけ怖いと思ったことはない」
「恐ろしい経験だった」
メッサージュウ、サイゴーン、メッツラー、アクアイガーも言った。
「戦いを恐れない我等だが」
「本当に怖かった」
「死ぬかと思った」
「どうなるかとだ」
「そうでやんすよ、もうお嬢はです」
ジュウオウは鬼頭に真顔で言った。
「車運転しない方がいいでやんすよ」
「少なくとも誰も乗せないことね」
ファラも真顔で言った。
「絶対に」
「さもないと死人が出る」
メイスンは断言した。
「近いうちにな」
「その通りです、何があってもです」
ファラキャットも鬼頭に言った。
「人は乗せないで下さい」
「私言われ過ぎでしょ」
ここまで言われてだ、鬼頭は頬を膨らませて言った。
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