第三十話 ギアの者達の笑顔その七
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「そのことを褒めよう」
「お嬢ちゃんが勝ったよ」
「凄かったでやんすよ」
モンスターとジュウオウも言った。
「本当に」
「そうだよな」
「全くだ」
「その言葉受けるわ、それじゃあね」
鬼頭は二人に桃井の言葉を受けつつ網の上の焼き肉をさらに食べつつ言った。
「あと一皿ね」
「実際に頼むでやんすか」
「だってまだ食べられるから」
ジュウオウに平然とした顔で答えた。
「だからね」
「それで、でやんすか」
「あと一皿ね」
それだけというのだ。
「いただくわ」
「おいら達はもう限界でやんす」
「これは勝てないな」
モンスターは今度はこう言った。
「本当にな」
「食うことについては」
「これは戦っても強そうだな」
「そうでやんすね」
「こいつは強い」
桃井はここでも正直に言った。
「車の運転は駄目だがな」
「何でそれ言うのよ」
「事実だからだ」
本人に対しても正直だった。
「言った」
「ちょっとはましになったわよ」
「ちょっとか」
「そう、乗ってみる?」
「断る」
桃井はここでもきっぱりと言った。
「絶対にな」
「嫌なのね」
「嫌だ」
やはり嘘は言わなかった。
「誰も乗せるな」
「誰もって」
「危ないからだ」
それ故にというのだ。
「絶対にな」
「だからましになったわよ」
「お前の主観だな」
「だから違うわよ」
「そんなに言うならな」
モンスターは二人のやり取りを聞いて鬼頭に言った。
「わし等を乗せて運転してくれるか」
「そうしていいの」
「ああ、面白そうだ」
笑っての言葉だった。
「だからな、ギアの連中乗せてな」
「運転してみるのね」
「どうだ」
「いいでやんすね」
ジュウオウも面白そうに賛成の意を述べた。
「それならでやんす」
「ああ、ギアの連中が交代でな」
「お嬢の言葉に乗りましょう」
「そうしような」
「止めておけ」
桃井は楽しそうに言う二人を真顔で止めた。
「さもないとだ」
「どうなるんだ?」
「どうなるでやんすか」
『死ぬぞ」
ここでも真顔で言った。
「まさにな」
「いや、わし等は身体は機械だぞ」
モンスターはその桃井に真顔で話した。
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