第三十話 ギアの者達の笑顔その六
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「別にな」
「それはまたどうして」
「俺達は仲間だからだ」
それ故にというのだ。
「遠慮するな」
「だからですか」
「そうだ、別にな」
「まあそこはおいおい、桃井の旦那って言った方がしっくりくるんで」
ジュウオウは桃井にそれでと答えた。
「そうさせてもらいやす」
「そうか、わかった」
「そのままでもいいですか」
「お前がそうしたいならな」
それならというのだ。
「そうしろ」
「それじゃあ」
「好きな様にな、でははじめるか」
「三人じゃないでしょ」
ここで鬼頭が言ってきた。
「私もいるでしょ」
「お嬢ちゃんも参加するんだな」
「ええ、私も焼肉好きだから」
それでというのだ、鬼頭はモンスターに言葉を返した。
「だからね」
「それでか」
桃井が応えた。
「お前も参加するか」
「いいかしら」
「なら四人だな」
桃井は鬼頭の参戦要望にも特に表情を変えることなく答えた。
「わかった、それで食おう」
「四人で大食い勝負ね」
「ああ、一人一皿ずつ盛り合わせを注文してだ」
「そのお皿の数を競うのね」
「それでどうだ」
「それでいいんじゃない?」
鬼頭はこう桃井に返した。
「それならね」
「よし、それで決まりだな」
「それじゃあ今からね」
「勝負だ」
桃井は強い声で言った、そうしてだった。
四人で食べていった、その勝者はというと。
「まさかな」
「嬢ちゃんとは思わなかったでやんす」
モンスターとジュウオウは食べ過ぎて苦しくなっている中で言った。
「おいら達より食うなんて」
「思わなかったな」
「全くですよ」
「俺も限界だ」
桃井は両手で自分の腹を擦りつつ話した。
「これ以上は無理だ」
「いや、あと一皿いけるわよ」
鬼頭はまだ食べつつ言った。
「普通にね」
「いや、お嬢ちゃん勝負前から食ってただろ」
モンスターはこのことを指摘した。
「俺達以上にな」
「そうだったかしら」
「それでそこまで食うなんてな」
「だってお肉好きだし」
「好きでもな」
それでもというのだ。
「流石にな」
「よく食べるっていうの」
「ああ、凄いな」
「全くだ、お前が勝った」
桃井は率直な声で言い切った。
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