第98話 過去の出会い
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触が僕の五感を包み込んでいく。
「先生にも噛みつく貴方がそんなに怯えるなんて……教団には得体の知れない存在がまだいたのね」
「レン、これはちょっと恥ずかしいよ」
「二人っきりだからいいじゃない。ほら、もっと甘えていいのよ?」
レンが更に強く抱きしめてきた。一応そこに見張りもいるんだけどな……
「おい!てめぇら見せつけてんじゃねえよ!」
すると見張りをしていた下っ端の男が鉄格子を蹴り飛ばして怒りだした。
「あら、恋人同士の甘いひと時に水を刺すなんて無粋な男ね」
「うるせぇ!モルモットがイチャつきやがって!こちとら最近ご無沙汰なんだよ!」
「恋人じゃないぞ……」
僕はボソッとそう言うがレンは無視して男を挑発していく。
「リィン、そんな奴放っておいてキスしましょう。ほら、舌を出して?」
「いや、しないから……」
「やめろって言ってんだろうが!あの方にちょっと気に入られているだけのモルモットが舐めやがって!」
レンが僕にキスしようとすると、男は何を思ったのか牢屋の扉を開けて中に入ってきた。
「おいおい、用心が無さすぎるだろう……」
「少しくらい俺が遊んだって別にいいよな?生きてさえいりゃ問題はねぇはずだ……キヒヒ、俺はお前みたいな生意気な小娘を〇してやるのが趣味なんだよ!」
「悪趣味ね」
僕は男の用心の無さに呆れていると男はズボンを脱ごうとしてレンは溜息を吐いた。
「おい」
「あん?……ぶっ!?」
男の意識はレンに向いていたので簡単に背後を取れた、そして僕は勢いよくジャンプして男の横っ面にドロップキックを叩き込んでやる。
「ぶへぇっ!?」
憩い良く吹き飛んで壁に頭をぶつける男、幸い死んではいないようで気を失っていた。
「馬鹿な奴だな、おかげで助かったけど」
「うふふ、私の迫真の演技に騙されたみたいね」
「演技には見えなかったけど……」
僕は結構力を込めて顔を寄せようとしていたレンを思い出して苦笑いをする、そして男が持っていた鍵で手錠を外した。
「さて、今の内に何か情報でも得られないか確かめてくるよ」
「私はここに残るわ。流石に二人がいなくなったら誤魔化せなくなるしね」
「ああ、こっちは頼んだよ。レン」
僕はレンにこの場を任せて部屋をこっそりと出た。
えっ、2人で逃げた方が良いんじゃないかって?いや、それは悪手だ。この施設の地形を僕は全く知らないんだ、ここまで目隠しをされていたので道中すらも分からない。そんなところを闇雲に逃げても逃げられる可能性は低い。
なら短時間で情報を探った方がまだ良い、僕は時間の許す限り脱出に役立つア
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