第98話 過去の出会い
[7/13]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
ん、これをどうぞ。故郷の森で取れたハーブを使って淹れた紅茶です。疲れが取れますよ」
「ありがとう、エマ」
エマが魔法瓶を取り出して紅茶を淹れてくれた。一口飲んでみると爽やかな風味が舌に広がり疲労が溶けて行くのを感じる。
「ふぅ……美味しいよ、エマ。本当に疲れが抜けていく気分だ」
「気に入ってくださったなら嬉しいです。この紅茶はお母さんがよく私に淹れてくれたものですから」
「そうか、イソラさんが……」
俺はかつて出会ったイソラさんの事を思い出した。
「あのリィンさん、もしよろしかったらお母さんと出会った時の事を教えてくれませんか?」
「えっ、どういう事?イソラさんから話を聞いていなかったのか?」
「勿論聞いていますよ、でもリィンさんの口からも話を聞いてみたかったんです。もし嫌なら無理して話していただかなくても大丈夫ですよ」
「あはは、そんな別に大丈夫だよ。それに望んだ形ではないとはいえレンと再会できたから改めて決意を固めるためにあの時の事を想いかえすのも良いと思ったし」
俺はエマにかつてD∴G教団に捕らえられていた事を話し始めた。
―――――――――
――――――
―――
side:リィン(子供)
僕がD∴G教団の奴隷になって何か月が過ぎたんだろうか?このまま帰れないんじゃないかと絶望しそうになったが僕はレンと出会いなんとか生きていけていた。
「リィン、もっと強く抱きしめて頂戴」
「えっと、これくらい?」
「んっ……凄く良いわ?」
僕は牢屋の中でレンを膝の上に乗せて抱きしめあっていた、彼女は僕に懐いてくれてこうやってスキンシップを求めて来るようになったんだ。
「頭も撫でて、ほら早く」
「こうかい?」
「ふふっ」
レンのさらさらした綺麗な髪を撫でると彼女は嬉しそうに笑みを浮かべる。
「なら次はキスをしましょう。舌を絡めあう濃密で甘いキスをね」
「それは駄目」
「むぅ……」
そして今度はキスもしようとしてきたので指で唇を抑えてガードする。それに対してレンは不服そうな顔をする。
「もうっ!どうしてキスは駄目なの!」
「そういうことは好きな人としなさい」
「それが貴方なのに……」
レンはそう言うが僕を父親代わりにしてるだけだろう、確か釣り橋効果って奴だったっけ?
「むっ……レン」
「ええ」
気配を感じた僕とレンは離れた、そしてその後に教団の奴らが姿を見せる。
「やあ君達、気分はどうかな?」
「最悪に決まっているでしょう、あんたの顔を見て更に気分が悪くなったから」
「ははっ、相変わらず元気が良いねぇ」
そこに
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ