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英雄伝説〜西風の絶剣〜
第98話 過去の出会い
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包んだように見えた。


(この殺気は……!?)


 その殺気が決して遊びで出した者でないと感じた俺は即座に太刀を構える、アガットさんも大剣を構えて一触即発の空気になった。


「リィンさん!アガットさん!止めてください!」
(今一瞬アガットさんに何かが見えたような……?)


 ティータは悲痛な表情でそう叫びエマは真剣な表情でアガットさんを見ていた。


「いけないな。女の子たちを怖がらせちゃ駄目でしょ?」


 すると何処からか子供のような声が聞こえてきて俺達をその声が聞こえた方に振り替える、するとそこには赤いスーツを着て顔にタトゥーのような模様が入った子供くらいの体格の人物だった。


「お前は……あの時の!」
「初めまして……いや君はお久しぶりかな?リィン・クラウゼル」
「まさかとは思っていたが結社の一員だったのか。お前に会いたかったぞ、赤の道化師!」


 俺はその人物に見覚えがあった、俺とフィーがヘイムダルで遭遇してリベールに飛ばした張本人だったからだ。


「あはは、そういえばまだ正式に名乗っていなかったね。僕としたことが失礼したよ」


 赤の道化師は飄々とした態度でお辞儀をした。


「執行者bO『道化師』カンパネルラ……それが僕の名前さ」
「カンパネルラ、俺とフィーを何故リベールに連れてきた。俺達の記憶を奪ったのはお前なのか?」
「君達を連れて来いって言ったのは今回の作戦の責任者である蛇の使徒さ、記憶も彼が奪ったんだよ」
「蛇の使徒……お前もそいつの命令で動いてるって訳か」
「僕の場合はちょっと違うかなぁ。まあそんなことは置いといて……」


 カンパネルラが指を鳴らすと俺以外の3人の足元に魔法陣が現れてエマたちを何処かに移動させてしまった。


「皆!?」
「さあ、最後の試練だ。君の可能性を存分に見せて欲しい」


 俺が驚いている間にカンパネルラは黒い箱のような物を取り出した。それが怪しい光を放つと俺の意識を奪っていく。


「ぐっ……!?」


 そして俺は闇の中に意識を沈めていった……


―――――――――

――――――

―――


「……うう、またこのパターンか」


 俺は痛む頭を摩りながら目を覚ました。


「特異点に連れてこられたのか、今度はこんな大きな山を登れっていうのか?」


 俺の眼前には巨大な山が鎮座していた。前に大きな塔を登らされたのに今度は山かとため息を吐いた。


「なるほど、ここが特異点って奴ね」
「えっ、誰だ?」


 何処からか声が聞こえたので辺りを見渡すと足元に何かの影が見えた。


「私よ、そんな間抜け面でキョロキョロして
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