第98話 過去の出会い
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を置いてはいけないんだ。
「イソラさん、お願いです、外に出たら遊撃士や警察などにこの事を話してください。きっと助けが来るはずですから」
「分かったわ……必ず伝えるから……」
イソラさんは最後の力を振り絞って魔法陣を生み出してそのまま消えていった。僕はその後なんとか見つからずに牢屋に戻りレンにこの事を話した。
「……そんなことがあったのね。もう貴方ってば本当にお人よしなんだから、妹さんが待ってるのに逃げなくてよかったの?」
「君を見捨てて逃げても意味ないから」
「……馬鹿、好きよ?」
何故かレンが引っ付いて離れなくなってしまった。因みに見張りの男は気絶している所を他の団員に見つかり、レンを〇そうとしたことが判明して始末された。
同情はしないよ、自業自得だ。
それから僕達はまた目隠しをされて元々いた施設に戻された。僕は助けが来るのをずっと待っていたけど結局自力で脱出するまで助けは来なかったんだ……
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―――
side:リィン
「……とまあこんな感じかな」
「なるほど……改めてリィンさんには感謝しないといけませんね。もしかしたらその時にお母さんが死んでしまっていたかもしれなかったんですから」
エマはそう言うと俺に寄り添ってきた。肩と肩が触れ合う距離まで近づくと彼女は俺の手をギュッと握ってくる。
「私の大切な家族を救ってくださって本当にありがとうございます、このご恩は一生忘れません。これからは私が出来る事をすべて出し切ってリィンさんの力になりますから」
「いや、そこまでしてもらわなくてもいいよ。そんなつもりで助けたわけじゃないし」
「いえ、私からすれば足りないくらいです。貴方が望むことはなんでもしてあげたいんです、そうなんだって……」
エマは大きな胸を強調させてズイっと顔を寄せてきた。ラベンダーのような良い匂いがする。
「エマは綺麗で美人なんだからあんまりそういう事言ったら男を勘違いさせちゃうよ?」
「もう、つれない人ですね」
エマはプクッと頬を膨らませると俺から離れた。
ふ〜、危ない所だった。少しクラッと仕掛けたからな、俺にはフィーやラウラがいるのにもっと気を付けないと……
「それにしても不思議ですね」
「なにがだ?」
「レンちゃんの事ですよ。話を聞く限りレンちゃんはリィンさんの事を好いているようにしか見えなかったのですが……」
「これはあくまで俺の主観の話だからな。もしかしたら知らないところでレンを怒らせていたのかもしれない」
「うーん、そう言う話ではないと思いますが……」
エマはそう言って苦笑いを浮かべた。どう
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