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神々の塔
第八十話 最強の天使その三

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「あるわ」
「この塔みたいにな」
「人は神霊さんやない」
 シェリルは静かに述べた。
「ほんまな」
「その間には絶対のもんがあるな」
「少なくとも人の心である間はな」
「神霊さんにはなれんな」
「悟りを開くなりせんとな」
「神霊さんにはなれへんな」
「幾ら力があってもな」 
 そうであってもというのだ。
「心がそのレベルに至らへんとな」
「神霊さんにはなれへんわ」
 リーも言った。
「ほんまな」
「そやな」
「当然私達もや」
「心は人や」
「そやからな」
「人のままでな」
「神霊さん達とはな」
 まさにというのだ。
「絶対の違いがあるわ」
「そうや」
 シェリルも述べた。
「ほんまな」
「その通りやな」
「人は人でしかない」 
 心が人であるならというのだ。
「所詮な」
「幾ら力があっても」
「そして心が人やとな」
 そうであるならというのだ。
「どうも強さもな」
「神霊さんの域には達することはないな」
「これがな」
 どうにもというのだ。
「やはり心がな」
「神霊さんの域に達さへんと」
「私達は神霊の力を持っていると言っても」
「それでもな」
「神霊さんがほんまの力を出すと」
「この塔では出してはるが」
「一人では到底や」
 リーは真顔で話した。
「戦われへん」
「私等全員で力を合わせんとな」
「とてもな」
 それこそというのだ。
「勝てへんわ」
「そやね」
「そやからな」
 だからだというのだ。
「ほんまな」
「心がどうかやな」
「それが人の域を超えて」
「神霊さんの域に達さへんとな」
「悟りを開くかしてな、それか」 
 ここでだ、リーは考える顔になった。そして彼がこれまで読んできた書の中の一つからこう言ったのだった。
「超人になるか」
「ニーチェやな」 
 シェリルはすぐに応えた。
「あの存在になるか」
「あの人は神は死んだと言った」
「キリスト教の神様やな」
「しかしや」
 それでいてというのだ。
「私が思うに無神論やなかった」
「あの人は」
「神の存在を認めていたからや」
 それ故にというのだ。
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