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夢幻水滸伝
第三百六十三話 時は止まらないその四

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「ぱっと思い付いてはな」
「間違いの元ですね」
「思い付きは大抵失言か」
 それか、というのだ。
「人にやれって言うんや」
「そういうものですね」
「そや、しかし閃きはな」
「言わないですね」
「そうした場合が多くてな」
 そうであってというのだ。
「それでや」
「自分が動きますね」
「エジソンさんはな」
 発明王として知られた彼はというと。
「常に九十九パーセントの努力をしてな」
「そこにですね」
「さらにや」
「一パーセントの閃きですね」
「努力だけやなくてな」
 それに加えてというのだ。
「閃きがないとあかんともな」
「言うてはりましたね」
「それだけ閃きが大事や、ただ努力はな」
 九十九パーセントのそれはというのだ。
「閃きをや」
「呼び寄せますね」
「そうもするわ」
 そうだというのだ。
「閃きが動いたり考えるとな」
「来ますね」
「そうしたもんやさかいな」
 だからだというのだ。
「まずはな」
「九十九パーセントの努力ですね」
「エジソンさんは実は色々問題があった」
 自身が経営する会社で社員を文字通り不眠不休で働かせたりライバルに謀略それも暗殺を行ったという疑惑もある、人間性に疑問を呈する声も出ているのだ。
「しかし努力家やったんはな」
「間違いないですね」
「そや、やっぱり努力は大事や」
「そこに閃きがあれば何かが出来て」
「しかもその閃きを呼ぶ」
「そうしてくれるので」
「ほんまな」
 メルヴィルはそれでもと話した。
「まず努力やな」
「それは欠かせへんですね」
「そや、今思い付きの話もしたけどな」
「思い付きは努力のない閃きですね」
「そや、汗かいて死ぬ様な思いして」
 そうしてというのだ。
「考え抜いてな」
「閃きはそこから出ますね」
「そやけどな」
「思い付きはそうしたものがなく」
「迷惑なもんや、まあ閃きも勘違いがあって」
「間違えることもありますね」
「人は試行錯誤もします」
 フォークナーがこう指摘した。
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