第21話:遅参勇者と焦る魔女C
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経緯は兎も角、あのバッチを手に入れた事事態が奇跡。フノク殿はその奇跡を否定するのですか?」
段々面倒臭くなってきたフノクが取り敢えず頷いた。
「あー解った解った。この話はもう終わろう。後、マドノの奴の前では『偽』は禁止な」
「解りました」
が、どうしても気になる事が有った。
「で、『一休』って誰じゃ?」
「……さぁー?」
こうして、マドノに対する疑念は変な方向に向かってしまうのであった……
それに引き換え、新入りのノチはマドノの異変に気付く事無く熟睡していた。
次の日、経験値稼ぎと言う名の大量虐殺に適したダンジョンを探しに往くマドノ率いる勇者一行の前に、1人のデビルがやって来た。
「……そのバッチ……お前が星空の勇者か?」
それを聴いたマドノが不機嫌そうに答える。
「そうだ。このバッチを視ても解んなかったのか?このアホが」
フノクやとンレボウは、昨日の事があるせいか少し焦る。
「そうか……俺の名はタンジュ。視ての通りの魔王様に仕えるデビルだ」
だが、タンジュは何故かマドノの台詞を素直に信じる事が何故か出来なかった。
(やはりな。俺の鼻が『違う』と言っている。それに)
「おい。本当にこれだけか?」
「それは、レベルの事か?俺達のレベルがまだ52しかない事を笑いに来たのか?」
レベル50の壁を超えた相手。
本来なら最大級の警戒をしなければならない相手なのだが、タンジュの考えは違った。
(本当にそうか?勇者、拳闘士、アーマーナイト、アーチャー……どれも属性攻撃が得意と言えるジョブじゃない。武器も属性攻撃を視野に入れてる感じがしない。これがレベルが50以上もある奴の戦い方か?)
で、結局タンジュはこの場でのマドノとの戦いを避けた。
「……そうか!お前はまだ52か!?なら、これ以上戦っても弱い者虐めになってしまうなぁ!」
そう言うと、タンジュは何もせずに飛び去って行った。
(奴はやはり星空の勇者じゃない!星空の勇者は……別にいる!)
その途端、マドノはタンジュの撤退にかなり安堵し、フノクやとンレボウはマドノが戦闘を避けた事に少し安堵した。
「ふー……アイツの討伐推奨レベルは恐らく69。今戦ったら、俺達は確実に敗ける」
(良かったぁー。マドノがまた偽者がどうとかで騒ぐかと思ったぁー)
ただ、ノチだけは少し蚊帳の外的な状態になってしまった。
「あの2人は何を焦ってるんだ?」
因みに、タンジュの本当の討伐推奨レベルは32である。
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