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ポケットモンスター対RPG
第21話:遅参勇者と焦る魔女C
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マドノはマシカルを追放してから、『功を焦って目の前の手柄や名声に飛びつき、直ぐ経験値稼ぎをサボらせようとする阿呆がいなくなった』と精々していた事もあって、グートミューティヒに敗けた事などとうに忘れ、寧ろマシカルと言うブレーキ役から解放された反動により、彼らの経験値稼ぎと言う名の大量虐殺は顕著なものと化し、レベルは遂に50を超えた。
しかも、
「本当にレベル50以上だって言うなら、さっさと魔王を倒しちまえよぁー」
のびのびと経験値稼ぎと言う名の大量虐殺を行えた事を喜ぶマドノ達の会話に礼儀知らずな酔っ払いが茶々を入れられても、
「解ってねぇなぁー。何も考えずに手柄に目が眩んで、身の丈に合わない大将首に無謀にも飛びついて討死したら、何の意味も無いんだよ」
と、説教を垂れる始末だった。
が、そんなマドノと酔っ払いとの会話を偶然聞いていた衛兵達が不満そうに酒場に入って来た。
「レベル50で足りぬというのなら、いったい幾つ有れば魔王を倒せるというのだ?」
レベル50以上になった事でいい気になっているマドノは、質問した衛兵達の怒気に気付かぬまま、自分の言い分を包み隠さずに言い放ってしまう。
「魔王を倒すのに必要なレベルは75だ」
実際の魔王討伐推奨レベルは45なのだが、慎重派なマドノはレベル70以上になるまで魔王と戦う気は無いのである。
つまり、それだけマドノ達は長々と経験値稼ぎと言う名の大量虐殺を続けると宣言しているのだ。
それに対し、衛兵達は酒を一気飲みしてからマドノに口答えした。
「じゃあ何か?お前達がレベル75になるまで待てと言うのか?」
そんな衛兵達の怒気に気付かないマドノはあっけらかんと答えた。
「そうだよ。星空の勇者であるこの俺が魔王に敗けたら終わりだろ?だから、そうならない様に―――」
「そう……だよ……?」
衛兵達は怒り狂った。
「ふざけるな!こっちはお前達がいない間、魔王軍に拠点を占拠されてダンジョン化する事態を未然に防ぐ為に、前線を定期巡回しなきゃいけないんだぞ!」
「先日だってな!とある冒険家から『あそこの山がダンジョン化しつつある』と通報を受けて巡回する事になった。そしたら物凄いボスモンスターに遭遇して部隊は壊滅だ!」
「レベルが50を本当に超えてるって言うのなら、さっさとあいつらを倒しに逝けよ!」
が、当のマドノはどこ吹く風で説教を垂れる。
「そう言うお前らのレベルは幾つだよ?」
「なにぃー!?」
「お前らのレベルが低いのを棚に上げて俺達を遅いと言うのは、他力本願なワガママじゃないですか!?」
殺意すら浮かんだ衛兵達が見当違いな悪口を言ってしまう。
「一休じゃない癖に一休を名乗って民衆を騙しておるそうじゃな!?この偽一休!」
それを聴いたマドノが急に怒り出した。
「……偽物だと?」
そし
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