第六章
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「そうなっていてもです」
「おかしくないですね」
「拙僧は仏門の家に生まれ」
この寺は彼の生家でもあるのだ。
「そしてです」
「御仏の教えを学んで」
「今に至りますが」
「それがよかったですね」
「はい」
そうだったというのだ。
「そう思います」
「そうですね」
新田も確かにと頷いた。
「拙僧もです」
「そう思いますね」
「そんな人になれば」
山本が話した様なというのだ。
「地獄に堕ちずとも」
「最悪の人生ですね」
「地獄道に堕ちずとも」
「餓鬼道にですね」
「堕ちそうな」
そうしたというのだ。
「悪いです」
「一生ですね」
「沖縄の基地の前にいる位なら」
それならというのだ。
「もうです」
「真っ当に働かないとです」
「いけないですね」
「七十になってです」
その年齢になるというのだ。
「基地の前にいて暴れ反対と喚いて」
「この前人死にましたね」
「そうした人達のせいで」
「トラックの前に飛び出て」
「基地に入るのを妨害しようとしのか」
「その人を止めようとして」
「貴重な命が失われました」
そうなったことを話した。
「その様な人生はです」
「送るものじゃないですね」
「この人は地獄に堕ちます」
山本は断言した。
「まさに」
「人死なせていますし」
「そうならない筈がありません」
「ずっとあんなところにいて無法の限りを尽くして」
新田は眉を顰めさせて言った。
「何の人生か」
「そうですね、自分達はどう思っていても」
「そもそも働かずです」
「どうして暮らしているか」
「そのことも謎ですし」
「色々胡散臭いですね」
「近寄れば暴力も厭わない程ですし」
基地の前にいる彼等はというのだ。
「徳なぞです」
「積んでいないですね」
「教えに近付くこともありません」
「そうですね」
「そして貴重な人命を犠牲にしてもです」
「行いをあらためないなら」
「地獄に堕ちずしてです」
そうならずにというのだ。
「済む筈がありません、あの様にならぬ為にも」
「御仏の教えを学び」
「そして善行を積むことです」
「それが大事ですね」
「ですから」
それでというのだ。
「このお寺で学び修行し善行を積みましょう」
「わかりました」
新田は山本の言葉に頷いた、そうして師匠それに他の彼の弟子達と共に寺の境内の掃除を続けてだった。
終わるとだ、そこで。
「ニャア」
「ナア」
「お食事ですね」
山本は猫達の鳴き声を聞いて微笑んで言った。
「その時間になりました」
「そうですね、それじゃあ」
新田も微笑んで応えた。
「今から」
「ご飯をあげましょう」
「猫達に」
「そうしましょう、沖縄の基地の前
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