第七百六十六話 沙羅双樹の花その五
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「どうしてもです」
「心が浅ましく卑しく」
「不平不満や愚痴ばかりで楽しまず」
「喜びや楽しみはですね」
「感じないですね」
「そうです」
まさにというのだ。
「満足しないので」
「そして死ねば餓鬼道に転生し」
「身体もそうなりますね」
「堕落してもです」
そうなろうともというのだ。
「しかしです」
「それでもですね」
「また上がればいいですね」
「多少遊び悪いことを覚えてもいいです」
セーラはそれもよしと話した。
「それでも。ですが」
「あくまで、ですね」
ラメダスは強い顔で述べた。
「人としてですね」
「そうです、その範囲内のことで」
「底を抜いてはいけないですね」
「決して」
何があろうともというのだ。
「そうあるべきです」
「左様ですね」
「人から本を借りれば」
その時はというと。
「内容が気に入らずとも」
「有り難うと、ですね」
「お礼を述べるもので」
そうでありというのだ。
「偉そうに批評なぞです」
「しないことですね」
「そんなことを行えば」
それこそというのだ。
「そのうち本を貸してもらえなくなります」
「貸しても喜ばないのなら」
「文句ばかり言うのでは」
お礼を言わずというのだ。
「それではです」
「そうなるのも当然ですね」
「そうです」
まさにというのだ。
「やがて」
「そうですね」
「ましてやです」
セーラはさらに話した。
「人のお部屋に勝手に入り」
「家族でもないのに」
「本を漁るなぞ」
「もっての他ですね」
「もう二度と」
「お部屋に入れてもらえないですね」
「そうなることもです」
それこそというのだ。
「道理です」
「そうですね」
「これもまた堕落です」
「人として」
「お礼を言わず礼節も知らない」
そうなることもというのだ。
「やはりです」
「堕落ですね」
「ここまで堕落しますと」
「餓鬼であり」
「そしてそのままです」
「堕落していきますね」
「果てしなく」
餓鬼になっていてというのだ。
「そうしてです」
「あの」
ここでベッキーはセーラに尋ねた。
「餓鬼のさらに下はあるでしょうか」
「この上浅ましく醜い餓鬼のですね」
「さらに」
「ですから地獄がです」
「餓鬼の下ですか」
「そうされています」
こうベッキーに話した。
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