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八条学園騒動記
第七百六十六話 沙羅双樹の花その一

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                沙羅双樹の花 
 その木は沙羅双樹だった、セーラはその木に咲いている花達を観てそのうえでラメダスとベッキーに言った。
「この花ですが」
「ゴータマ=シッダルタですね」
「ヴィシュヌ神の転生の一つの」
 二人はヒンズー教の考えから答えた。
「あの方が入滅した時に」
「そこにあった花ですね」
「仏教の釈迦如来です」
 この仏だというのだ。
「まさに」
「そうでしたね」
「仏教ではそうですね」
「マウリアでは仏教はヒンズー教の一派ですが」
「連合では完全に一つの宗教ですね」
「その仏教を開いた」
 即ち開祖であるというのだ。
「釈迦如来、釈尊がです」
「入滅した時に傍にあり」
「その花で、ですね」
「見届けまして」
 その入滅をというのだ。
「それからもです」
「仏教においてですね」
「非常に重要ですね」
「そうしたお花ですね」
「沙羅双樹の花は」
「そうです」
 まさにというのだ。
「それ時代が仏教の教えであるともです」
「考えられていますね」
「左様ですね」
「このお花は」
「重要なお花ですね」
「日本の古典ですが」
 こちらでというのだ。
「平家物語がありますね」
「軍記ものですね」
「そちらの名作ですね」
 二人でセーラに答えた。
「そうでしたね」
「今も読まれている」
「その冒頭ですが」
 平家物語のというのだ。
「あまりにも有名ですね」
「祇園精舎の鐘の声諸行無常の響きあり」
 ベッキーはマウリアの公用語、ヒンズー語でこの言葉を出した。今彼等はこの言語で会話をしているのだ。
「そこからはじまりますね」
「その次にですね」
「沙羅双樹の花が来ます」
「そうです、この言葉はです」
「真実ですね」
「誰もが衰え」
 そうなりというのだ。
「そして無常ですね」
「どんな人もです」
「衰えて」
「結局小さいものです」
「どんな英雄も」
「平清盛公も」
 平家物語の主人公の一人と言っていい彼もというのだ。
「結局はです」
「死んでいますね」
「熱病にうなされ」
 この時の描写があまりにも有名である。
「作中では地獄に堕ちています」
「無間地獄ですね」
「わざわざ迎えが来るまでに」
「奥方の夢の中ですね」
「そうです、牛の頭の獄卒とです」
「馬の頭の獄卒が出て」
「燃え盛る当時の日本の車を曳いていましたが」
「そこに無と書いていましたね」
 ベッキーはその場面のことを話した。
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