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神々の塔
第七十九話 最強の魔神達その十二

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「戦うことや」
「それが大事やね」
「ほんまな」
「幾ら強い相手でも」
「自分等のことをわかって」
「相手を知る」
「そうあってこそな」
 まさにというのだ。
「戦えてな」
「勝てるね」
「そや、それでや」 
 そうであるからこそというのだ。
「今回もな」
「戦うね」
「そうするで」
 こう言ってだった。
 一行はベールと戦っていった、そうしてだった。
 ベールも倒し他の魔神達も倒した、するとルキフグスは満足した様に笑ってそのうえで一行に言ってきた。
「これでよし」
「うち等勝ちましたね」
「うむ」 
 綾乃にその通りだと答えた。
「その通りだ」
「そうですか、ほな」
「上の階に行くのだ」
「そうさせてもらいます」
「あと少しだが」
 ルキフグスはこうも言った、その口調は確かで強い口調であったがそれ以上に優しく温かいものであった。
「頑張るのだ」
「そう言ってくれますか」
「悪魔は邪悪だと思うな」
「キリスト教やとそうなっていますね」
「だが少なくともサタン様にお仕えしている者達は邪悪ではない」
「モラルがありますね」
「我等のな、法もあり正義もある」
 彼等のというのだ。
「そうだからな」
「この世界もですね」
「司り守護していてな」
 そうであってというのだ。
「憂いてもいる」
「危機が訪れるのなら」
「何とかしたい、そなた達に世界を救える存在ならな」
「試練を与えて成長させるという形で、ですね」
「助ける、だからな」
「うち等はこの世界を救うことですね」
「そうだ、この星には百億以上の人が生きていてだ」
 そうであってというのだ。
「遥かに多くの様々な生きものがいる、植物もだ」
「生きていますね」
「彼等を救うのだ」
 こう綾乃に言うのだった。
「だからだ」
「うち等を助けてくれますか」
「悪魔、その君主である魔神達もな」
「そうですか」
「我等もな、だからな」
「魔神さん達も信頼出来ますね」
「むしろ信頼して欲しい」
 ルキフグスは微笑んでだ、綾乃に告げた。
「我等をな」
「そうですか」
「この世界を司り守護する神霊達の中にあるからな」
「そやからですね」
「信頼してくれ、そしてだ」
「これからもですね」
「戦ってな」
 そうしてというのだった。
「世界を救うのだ」
「この塔を踏破してからも」
「それからもな、いいな」
「ご期待に添える様にします」
「宜しくな」 
 最後にこう告げてだった。
 ルキフグス達魔界の最高位の魔神達は綾乃達を上の階に進ませた、その顔には確かな温かさが存在していた。


第七十九話   完


                   2024・6・23
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