第七十九話 最強の魔神達その八
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「兎に角何があっても不平不満で」
「そればかり言うて」
「感謝もせんで」
「ええことがあっても」
「そうでお礼もな」
「人に何かしてもらっても」
「言わんしな、それでや」
そうした人間性だったからだというのだ。
「次第にな」
「人が去って」
「一人やった、親戚からもな」
「嫌われてたんやね」
「そういう人やった、不平不満を感じるなら」
それならというのだ。
「努力してな」
「その不平不満を解消することやね」
「野球で打てへんならどうするか」
そのことを不満に思っていると、というのだ。芥川は頭の中で三振をするバッターを想像して話した。
「練習するな」
「素振りしてバッティングコーナーに入って」
「相手チームのピッチャーを研究してな」
「そうするね」
「そうせんで打てへんばかり言うてな」
そうであってというのだ。
「何になるか」
「打てへんままやね」
「そや、それより素振りした方がな」
「ずっとええね」
「ほんまな、文句言うばかりやとな」
そうであればというのだ。
「何にもならん」
「ましてカミツキガメみたいやと」
シェリルはここで彼女もこの生きものを話に出した。
「その出来損ないやと」
「あかんね、ほんま」
「人に噛み付くよりもな」
「自分がどうかやね」
「人をあげつらって攻撃しているうちに」
「自分はなおざりになるね」
「説教好きな奴に大した奴はおらへん」
シェリルはこうも言った。
「結局な」
「人を見てばかりで自分を見てへんで」
「自分を磨く努力してへんからな」
「それでやね」
「人のあら捜しをして」
欠点と呼ばれるものをだ。
「それを偉そうに指摘してな」
「自分はなおざりで」
「人の欠点を見ても反面教師にするとか」
「それで自分を磨くとか」
「そうしたこともないから」
「大した人やないね」
「説教好きな人はな、お説教垂れてるとな」
人にそうしていればというのだ。
「自分が偉いと錯覚もする」
「間違い気付いてそれを言える自分偉いって」
「そうな。けどな」
その実はというのだ。
「これが全くや」
「偉くないね」
「そや」
その実はというのだ。
「ただマウント取ってるだけで」
「何でもないね」
「言われてる方も最初は聞いても」
「次第にね」
「こいつ偉そうに言うてるだけやてな」
「見抜かれて」
「それでな」
そうなりというのだ。
「その結果な」
「聞かれん様になるね」
「聞き流されるわ」
「聞いても意味ないから」
「批判を聞けやない」
「聞かれることを言えやね」
「そや、聞くに値せんと見抜かれたら」
「もうね」
「聞かれん様になるわ」
そうなるというのだ。
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